「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。 2012年 6月 4日 5月 2日 4月 1日 3月 2日 2月 1日 1月 1日
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2012年6月4日
ヨーロッパ再燃で、株価もドンドン下がって、これを書いている辞典での日経平均で8250円、今日だけで180円余りの下落です。 ギリシャの再選挙で政治が決まらないと、先が見えないようです。 ギリシャはEUを離脱するにもEUベースの債務がありますから、自国通貨のドラクマに戻っても、債務の返済は、ますます苦しくなるでしょう。 行くも地獄帰るも地獄で、どうしようもない。 ここは、EU統合で一番利益を得たドイツが、ギリシャの債務を解消して、ギリシャのEU離脱がもっとも望ましい解決方法だと思います。

しかし次の問題はスペインで、これも予断を許しません。 最悪シナリオは、ギリシャが破綻して、その余波でスペインも破綻の瀬戸際になると言う事で、いくら債務残高が高いと言っても、自国内での国債消化と、対外純資産がプラスの間は、日本も世界レベルで見ると、優等生なんでしょう。 その証拠にまた円高に振れ始めました。 この間の円高是正局面では、これで一気に円安に振れるのかと身構えた方も大井と思いますが、EU問題再燃で、また元に戻ったと言うことです。 BRICS も成長が落ちてきて、以前のようなデカップリング論(短期的には当たった)みたいな、楽観論も最近は一切聞こえてこず、まったくの五里霧中になってしまいました。

PCの世界も、ついこの間まで5万円PCと言っていたのに、最近はさらに下がって、3万円PCです。 デスクトップは1-2台買いましたが、ノートブックを10年ぶりで購入しました。 送料無料で、31800円と言うのが効きました。 他になにか必要なのかと調べて見ましたが、何もなし。 それで、実際に購入してみると、確かにこの金額で自宅に届きました。 ここでその3万円PCの レノボ [IdeaPad Z575] のレビューを行ってみたいと思います。 デザインにIBMの名残があり、好きではなかったですが、懐かしく思いました。

まず、大きさと重さ。 結構大きく思いです。 ガンメタルグレー、(W×D×H)mm 376x250x32.3-34.5mm バッテリー・パック、を含む本体質量 約2.6kg この機種は本来ゲーム用らしいので、大きさと重さはあまり重視していないようです。 横幅が大きいので、テンキーを含むフルキーボード仕様になっています。 テンキー付には慣れていないので、すぐに端のキーを押してしまいます。 画面に対して少し左寄りで向かわないといけないです。

ポインティングデバイスはタッチパッド。 何かおかしいと思ってよく使ってみると、スマホでおなじみの2点ポインティングで、画面のサイズの変更もスマホのように2本の指で出来ます。 アイコンがこの操作で大きくなったり小さくなったりは少し気持ち悪いのですが、再起動でデフォルトに戻るようです。 IBMゆかりのThinkPadではないためか、スティックはありませんでした。

CPUはAMDの1.5GクワッドA8-3500M。 ターボブースト時2.4GHzになるようです。 ビデオ・チップも AMD Radeon HD 6620G で、W7のスコアでこれが最低で、4.5でした。 他はそれ以上。 ビデオRAMはメイン・メモリーと共有の最大2GB。 この辺がコストダウンと性能が少し低い理由だと思います。

問題のディスプレイ は、 LED バックライト付 15.6 型 HD 液晶 で 1,366×768ドット。 縦が800を切るのは少ししんどい。 画像を見るだけなら問題ないですが、ビジネスで使うとなると、この辺が、コスト相応と言う事になります。 いろも少しダイナミックで、コストダウンはこの辺が一番効きますから、すこし我慢をしないといけないところです。

ディスクは、 500GB(5400rpm)。 アプリを入れるためか、Dドライブもパーティションを機ってありました。 光学ドライブは、CD/DVD/CD-R/Blu-ray DVDスーパーマルチ・ドライブ。 Blu-rayが使えると今はじめて分かりましたので、やってみたところ、CPRM対応のディスクはDLも読めましたが、それ以外は駄目でした。 DVDはみな読めるようです。DVD/CDは書き込みもOKみたいです。 本体をよく見たら、メディア・カード・リーダー (SDメモリーカード、マルチメディア・カード、メモリースティック、メモリースティックPro、xDメモリーカード)も付いていました。

外部インタフェースは、ワイヤレス ※8 802.11 b/g/nが付いていました。 本体前面に、ワイヤレスLAN ON/OFFスイッチが付いているので、間違ってワイヤレスで情報漏えいと言う事にはなりにくいようです。 もちろん 10BASE-T/100BASE-TX の有線LANも付いています。前面にはステレオスピーカーが付いており、マイクとカメラも内臓です。 もちろん外部のヘッドフォンとマイクのジャックは付いていました。

コスト的には問題ないのか、Bluetooth Bluetooth v2.1 + EDR準拠 が付いてました。 全部テストしていませんが、まあまあ使える範囲だと思います。 他には、アナログビデオコネクタ(VGA)が付いているのと、HDMIポート、USB2.0×3、eSATA/USBコンボ×1があり、PCカードのスロットはありませんが、接続には問題がないようです。

これらを見ると表示画面に多少の不満はあるものの、デジカメやビデオの編集や保存にはまったく問題のない仕様となっており、これが3万円そこそこであるのは、驚きのなにものでもありません。

今月の読み物は、武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書) 磯田 道史 著 ¥714。 今月は、3万円PCのレビューで紙面を取ってしまいましたので、他の話題は来月に回します。

映画になっているので、ご覧になった方も居られると思いますが、改めて原作を読んでみると、なかなか興味深いです。 このような古文書が古本屋で売られていたり、その中身が詳細な家計簿だったり、その家計簿から暮らしぶりを再現したことで、江戸時代後期の武士の暮らしが、一層身近になりました。 いわば現在の高級サラリーマンの暮らしぶりで、収入は多いものの、支出も多くて、借金に借金に重ねる、現在のサラ金地獄に通じる実態が明らかになります。 さらには、明治維新と言う大変動なかで、どうやって生き残っていったのか、興味は尽きません。

【Amazonコメント】
東京・九段の靖国神社に立つ「大村益次郎」像の建立に力があったのは、加賀前田家の「猪山成之(しげゆき)」という一介のソロバン侍だった。幕末の天才軍略家と一藩の会計係の間に、どのような接点があったのか。「百姓」から軍略の才一つで新政府の兵部大輔に上りつめた大村と、ソロバン一つで下級武士から150石取りの上士にまで出世した成之の出会いは、いかにも明治維新を象徴する出来事だが、著者は偶然発見した「金沢藩猪山家文書」から、その背景をみごとに読み解いている。

猪山家は代々、金沢藩の経理業務にたずさわる「御算用家」だった。能力がなくても先祖の威光で身分と報禄を保証される直参の上士と違い、「およそ武士からぬ技術」のソロバンで奉公する猪山家は陪臣身分で報禄も低かった。5代目市進が前田家の御算用者に採用されて直参となるが、それでも報禄は「切米40俵」に過ぎなかった。しかし、120万石の大藩ともなると、武士のドンブリ勘定で経営できるものではない。猪山家が歴代かけて磨きあげた「筆算」技術は藩経営の中核に地歩を占めていく。

本書のタイトル「武士の家計簿」とは、6代綏之(やすゆき)から9代成之(しげゆき)までの4代にわたる出納帳のことである。日常の収支から冠婚葬祭の費用までを詳細に記録したものだが、ただの家計の書ではない。猪山家がそれと知らずに残したこの記録は、農工商の上に立つ武士の貧困と、能力が身分を凌駕していった幕末の実相を鮮明に見せてくれる。220ページ足らずとはいえ、壮大な歴史書である。(伊藤延司)

【著者からのコメント 2003/04/02】
東京・神田の古書店で、加賀藩士がつけた「家計簿」が発見された。饅頭ひとつ買っても記録した詳細なものである。天保13年(1842)から明治12年(1879)年まで37年分が残されており、金沢城下の武士の暮らしぶりが手にとるようにわかる。

家計簿をつけたのは加賀藩御算用者(おさんようもの)・猪山直之。藩の経理係であり、将軍家から前田家輿入れした姫様のそろばん役を務めていた。仕事が経理であったため、自分の家でも緻密に家計簿をつけていたらしい。彼は、年収の2倍をこえる借金を抱え、年18%の高利に苦しんでいた。妻の実家に援助してもらい、お小遣いも現在の貨幣価値で5840円におさえられていた。しかし、天保13年に一念発起して家中の家財道具を売り払い、債権者と交渉して借金の整理に成功。「二度と借金地獄に落ちるまい」と、それ以後、家計簿をつけはじめた。

その後、猪山家は家運が急上昇。江戸時代の武士社会では、猪山家のようなソロバン役人は低く見られていたが、維新の動乱期になると、会計技術者は兵站係として重宝された。直之の子、猪山成之は明治政府の軍事指揮官・大村益次郎にヘッド・ハンティングされて兵部省入りし、のちに海軍主計となって東京に単身赴任する。その年収は現代の3600万円にもなった。一方、金沢に残された成之の従兄弟たちは政府に出仕できず、年収は150万円。明治士族の厳しい現実である。

本書では、なるべく、猪山家の人々の「声」を掲載することにした。幕末明治から大正にかけて、激動期を生きた家族の肖像写真をそのまま見て頂きたいと思ったからである。
あなたは猪山家の物語に何を想われるであろうか。






2012年5月2日
世界経済もピリッとせず、頼みの中国も減速して来て、行き先の不透明さが増しています。 円も80円を切り、日経平均も9400円割れして、せっかく1万円超を達成したのにまた元の木阿弥です。 日本の主要企業特にに家電メーカーが大苦戦で、その原因はフラットTVにあるとされています。

ソニーは狭い顧客層を狙ったモノつくりでしたが、それをどう克服していくかでしょうが、新社長の評価は既に芳しくないですね。 パナソニックは、脱仲村戦略がキーだと思いますが、それに代わるものがまったく見えません。 もっと推し進めたら良いとも思います。 シャープは、亀山や堺の大型投資が逆に作用して苦しんでいるようです。 決心したときにはすごい決断だと思いましたが、これからが正念場でしょう。 いずれも若いトップに交代しましたが、自由に腕を振るえるのかがポイントだと思います。 何となく先輩の多い党内で苦労している野田総理を連想させます。

最近たまたま古文書講座に参加できたので、古文書に凝っています。 興味のある方が多くて、どこでも満員だそうです。 参加される方もいろいろで、古文書のくずし字解読そのものに興味があって、中身にはあんまり興味が無い。 または、内容に興味があって、くずし字をどう読むのかにはあんまり熱心でない人もいます。

配布されたテキストを見てビックリ。 なんと我が家の先祖の名前があるではないですか。 読み間違いかと思って何度も見直しましたが、間違いなし。 安政時代で明治維新の少し前、そんなに古くは無く、こちらにも資料が残っていて整合は取れました。 偶然とは面白いもので、あまたある古文書の中から、これを探し出せませんし、その存在すら分かりませんでした。 先日のTVのニュースで、古本市を紹介していましたが、3箱の古文書が5万円との事で、こんど見かけたら確保しようと思っています。 日本人は、世界に稀な記録魔だそうです。 何でもかんでも記録を残す。 何とか日記みたいなものがたくさん残されているようです。 特に江戸中期からは物凄い量の文書が残されているようです。

戦国時代は日本は世界トップの鉄砲保有数を誇り、江戸時代では世界に先駆けて、米の先物相場取引きが行われました。 それとこの文書の量。 要するに高度な文書を読み書きできる人口が物凄く多かったと言うことで、日本は極東の島小国ではないですね。 ヨーロッパに比肩し、場合によってはそれを凌駕する力と蓄積を持っていたのです。 もっと自信と誇りをもって、現在のデフレに対応しないと、今のままでは、本当に心理問題だと思えるような状況です。

江戸時代の古文書で多いのは借金証文。 江戸時代は税金は米でしたから、それをお金に換えないと使えないのですが、米の値段が大幅に上下する。 そのために借金をしないといけないし、先物でリスクヘッジをしないといけないのです。 税金収入に依存する武士はともかく、関係のない百姓まで、いっぱいお金を借りています。 まさに今のサラ金を髣髴とさせるほどです。 利率も年間15%とか25%とか、中には10日で1割(トイチ)すらあります。 、現在と同じように、低成長時代ですが、サラ金の利率は高かったのです。

ほかに多いのは、やはり税金(年貢)関連です。 地方税と同じで奉行が年貢を示して、それを元に庄屋が申告書を書きます。 納めたあとは領収書が送られてきます。 これをそろばんと毛筆しかなかった時代に延々と計算して書いているのです。 もちらんコピー機も無いので、必要なときは写しを作ります。

ここで面白いのは年貢は検地の時に決まった石高に年貢率を掛けて計算するのですが、これが平均的に45%ぐらい。 所得税、地方税、固定資産税込みです。 従って石高には屋敷の面積も石高換算して含まれています。 ところが、ここから日本的な融通無碍が始まるのですが、この石高は非常に少なく見積もられています。 まず屋敷がやたらと狭い。 庄屋の屋敷でも100坪以下。 田んぼの面積は長さ横ともミリ単位のところもあれば、実際の長さより大幅に短いときもあります。

土地の長さを測るときには、計測用の縄を使うのですが、これが延びるんです、縄目の延びですが、極端なところでは2倍も違うのは単なる縄目の延びでは説明できません。 要するに検地のときに、双方で握っているんですね。 まあ今で言うと所得控除みたいなものでしょう。 この他には、米以外の換金作物は、計算に入れないとか、石高換算の時に低く見積もるとかされているようです。

当時の武士は、今のサラリーマンと同じで、石高で米で報酬をもらっていました。 これもサラリーマンと同じで100%補足が可能です。 方や百姓は上記のような控除があるのと、さらに新田開発したときには、それがカウントされないとかで、結果的には、年貢率は20%、場合によっては10%ぐらいだったそうです。 現在の税制を見るようで、トーゴーサンピンは江戸時代と何も変わっていないですね。

この他にも、やれ堤防が決壊して水没したとか、冷害だとか、 何とかで、年貢を負けてくれと言う訴状がドンドン出ています。 また、農地はどこかの大名や有力武士の領地ですが、そこが気に入らなければ、他の領地に逃げていったりしています。 江戸時代の百姓はバイタリティにあふれています。 少しは見習わないといけませんね。 しかし、百姓一揆で直訴すると、首謀者の庄屋は大体死罪か、獄死しています。 命がけです。

江戸時代の百姓と言うと、粗末な着物を着て、掘っ立て小屋に住み、過酷な年貢に苦しんでいると言うイメージが定着しています。 住居や着物は確かに幕府による規制が厳しかったのですが、それ以外は、実質所得は武士よりも多く、意外に豊かな生活をしていた事が分かってきています。 当時の国富のほとんどが農業生産ですから、この担い手が悲惨では国が持たなかったでしょう。 武士や支配階級も現在我々が感じているより、百姓を大事にしたと言う事です。

今月の読み物は、藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 光文社新書 ¥ 966
筆者は、「伝説のディーラー」との触れ込みですが、その主張の日本国債は暴落して、日本円も暴落する、従って海外に資産を移転しておきなさいと言うことも、今のところぜんぜん当たりません。 それどころかその後大幅円高で、偉い目に会った人も多いのではないでしょうか。 しかし、教科書としては抜群。 幕府を説得して、世界で始めて商品先物市場を築いた、江戸時代の人々に負けないように、少し勉強しておきましょう。 特にオプションはややこしいです。 プットとコールがあって更に売りと買いがある。 プットの買いは保険と同じと覚えておけば、少しは分かりやすいです。

商品の説明 出版社/著者からの内容紹介
●「伝説のディーラー」が書いた「伝説の教科書」の改訂新版! 「この本は、人から聞いたことや、他人の書いたものをまとめたもの ではありません。私自身の経験から「金融市場で生きて行くには、こ れだけの知識が必要だ、資産運用をするつもりならこれだけの知識は 必要だ」と思ったことだけを書きました。逆に言えば余計なことは書 いてありません。個人投資家の方にもわかりやすく書いたつもりです。 是非、この本を読んで、今後の不透明な時代を乗り切る術を得ていた だければ、と思います」(改訂新版 まえがきより) 為替の基本から、先物、スワップ、オプションなどデリバティブまで。 ビジネスマンはもちろん、個人投資家の資産運用にも、本当に使える 金融知識を、「伝説のディーラー」が実践的に伝授。 発売以来、金融マンの新入社員向けとして、また専門誌の記者にも好 評を博してきたロングセラーが、ほぼ10年ぶりにデータを刷新、最新 情勢も盛り込んだ改訂版として登場!

内容(「BOOK」データベースより)
個人投資家にも、プロにも役立つ。迫りくる危機に備えるためのリアルな金融知識を手に入れよう!「伝説のディーラー」が書いた「伝説の教科書」。データを刷新、大幅加筆の改訂版。






2012年4月1日
株価はドンドン上がって、今日の日経では外国人の持株比率が過去最高になったそうです。 日本もどんどん外国と言うか、隣の国に買われているのでしょう。 バブルのころの日本の資産でアメリカ全体を買えるという話も、今は昔です。 いずれにしても震災後1年にしてやっと株価は元に戻ったと言うことでしょう。 後は実体経済をどうするかです。

今日のTVでも言っていましたが、これだけ原油価格が上がり、円高も収まって来たのに、未だにデフレ傾向が収まらないのは、日本のビジネス体質そのものに問題があるのではないかと言う事です。 東電の値上げを肯定するわけではないですが、あの無神経さと言うか、図太さを企業、特に中小企業が持って、値上げに入らないといつまで経っても、苦しいままで、さらにデフレ化する状況から抜け出すことは難しいのではないでしょうか。

昨日つまり3月31日の夜の12時に、ドコモのDopa/movaが停波しました。 FOMAの前のバージョンで20年続いたそうです。 12年前にデータ通信のDopaを使ってビジネスを始めたので、Dopa停波は特に感慨無量のものがあります。 昨年にはアナログTVが停波しましたが、これも子供のころからTVを見ていたので、それなりに感慨はありました。 ネットの関連機器は20年経っても使えていますが、電波モノは20年経つと使えなくなります。 プラチナバンドの明け渡しとは言え、時代の趨勢ということでしょう。

来月、再来月に天体ショーが連続してあります。 先日は木星、月、金星が並んで見える現象がありました。 来月は、5月21日の金環日食。 日本のほとんどのところで見えるらしいので、後は天気しだいですね。 時間は朝なので、東の開けているところ、また見える中心が太平洋に偏っているので、なるべく東に行って、東側の開けたところが良いようです。

6月6日には金星の日面経過が全国で見られます。 金星の日面経過とは、太陽−金星−地球がほぼ1直線状となり,金星が黒い点となって太陽の前を横切っていく現象です。 言うなら、金星版の金環日食といってもよいでしょう。 金星、地球、太陽の関係から起きるのは大変まれで、今回のように通過全体を見れるのは、数百年は起きません。

さらに、8月14日の未明には、ほぼ全国で金星食を見ることが出来ます。 金星が小さいので月による金星の掩蔽と呼んでもよいでしょう。 これは月が金星の前を横切って金星を隠してしまう現象であり、今回は月の明るい側から金星がもぐりこみ,暗い側から出てくることになります。

地上は、電力がどうの、何とか税がどうのとうるさいので、しばらくは夜空でも見上げて俗事はしばらく忘れてみませんか?

今月の読み物は、「日本のもの造り哲学 」単行本 藤本 隆宏著 ¥1,680。 少し重いですが、元もの造り屋としては、読んで置かないといけないと思います。 まえがきでもあるように、少しくどいし、繰り返しが多いし、3分の2までは、かなり我慢して読みました。 残りの3分の1、さらには最後の章は我が意を得たりです。 要約すると、日本は「擦り合わせ屋」、中国などは標準品を持ち寄る「モジュラー屋」で、日本の生きる道は、擦り合わせ一辺倒から脱して、儲かるモジュラー屋を育成する。 プロデューサー的な人材や企業が必要になってくる。 この中で、日本の得意な擦り合わせも生きてくるのではないか、と言う事です。 この辺りの結論には大賛成です。

商品の説明(「BOOK」データベースより) 日本のもの造り哲学
ものづくり経営研究センター長を務める東京大学大学院教授・藤本隆宏氏が「もの造りの現場から発想した企業戦略」を論じた書。ここ10年ほどで浮上した日本製造業の危機を煽る諸説やその間に続々と流入した“ヨコ文字の経営手法”には違和感があると言う。日本のもの造り企業に足りないものがあるとすれば、それは己の組織にマッチした戦略だと指摘。もの造りの現場すべてに存在する「設計」を軸に見直しを図り、打開策を見いだせと言う。

「製品とは設計者による基本情報がモノ(媒体)と結びついたカタチである」と考えれば、マーケティングから生産、販売に至る道筋は「設計情報が循環する過程」だと言える。顧客が消費しているのは、基本的には設計情報なのだという考え方に立って、良い製品とは然るべき「アーキテクチャ(設計思想)」を内包するモノだと解説する。

企業には設計情報を上手に創造し、さらに媒体とベストの状態で結合させる技量が求められる。これを著者は「もの造りの組織能力」と呼ぶ。組織能力にはそれぞれ個性があり、個性とアーキテクチャには相性が存在することを示す。強い製造現場を持ち、高い収益性を確保している企業の多くは、独自の組織能力と設計思想のバランスが良いと指摘している。







2012年3月2日
株価も年度末を迎えて、やっと上昇機運になってきましたが、寄付きで上がって、その後は利益確定で落ちると言うパターンが、ずっと続いています。 大手は冴えないのですが、中小型株は元気で日経平均が下がっても、ここだけは上がっています。 取引き数が少ないので、時々ドカーンと上がったり下がったりします。 中国辺りから買いや売りが入っているのではないでしょうか。

それにしてもエルピーダは突然でしたね。 最近まで台湾の会社に支援とか新聞に出ていましたが、えらく小さな会社だったので、不思議に思いましたが、こう言う伏線があったのですね。 経営としてはこう言う状況には個人的には絶対に陥りたくないですね。 350円ほどあった株価が今日は5円か6円で、単位株が最低100株なので最低投資額は500円から600円です。 こうなると1円違うと20%ぐらい上下しますから、完全にマネーゲームですね。 ちなみに買いの指値は1円が最多です。

少し前に、アインシュタインの光速の限界を突破したと話題になって、ニュートリノが高速を超えたと言うニュースが一般紙にも大きく取り上げられ、TVでも特別番組がありましたが、結局は計測に使った時計の同期ミスと言う事になりそうです。 正式な発表は、あまりに格好が悪いので、少し時間を置くと思います。 確かに、だれもやろうとしなかったニュートリノの速度を量ってみようと言う女性の大学院性(だったと思う)の発想は逆転の発想で、得てしてこう言うところからノーベル賞級の成果が出てくるのですが、柳の下のどじょうになってしまったようです。 最大の反証は、例の運でノーベル賞をもらったと言われている小柴さんが観測した、超新星からのニュートリノの到達時間が光より遅かった(距離があるので年単位)と言う事実があり、何らかの測定技術上の問題と想定されていました。

実際の測定は物凄く大掛かりなもので、GPSからの情報を補正して、両者の時間を正確に合わせて、ヨーイドンで計測するんですが、この差が確か数十ピコ秒単位で、電子回路で、目の前で計測するのも結構大変です。 報道によれば、このGPSとの通信を行う機器のケーブルが緩んでいたとの事で、単に緩んでいても問題ないとは思いますが、実際は外れていたのかもしれません。

私も分野はまったく異なりますが、実験屋の端くれでしたので、得られたデータが本当に正しいのか、この検証が大変でした。 素性のハッキリしているものを測って、いわゆるキャリブレーションをしないといけないのです。 ニュートリノの問題は、ニュートリノを地球の中を通して送っているので、他の例えば光子(つまり光)を使ってやってみることが出来なかったんですね。 しかしもう少し確証を得る方法はあったのではないかと思います。

最近のニュースで、懐かしいと思ったのは、スバルサンバーの生産中止です。 一世を風靡したスバル360も懐かしいですが、サンバーは学生時代に、何しろ60日間に渡って日本一周をした車なので愛着もヒトシオです。 学生時代の友人のFさんと2人で、サンバーの荷台に敷いた1畳分のスペースで寝袋に包まって寝ていました。 まあ超お手軽キャンピングカーです。 当時はオートキャンプ場なんて無かったので、どこでも停めて寝ました。 またしゅっ中故障したり、パンクしたりするので、修理はお手の物になりました。 エンジンをバラスのでさえ、手探りでできるようになりました。 と言うか、エンジンルームがえらく狭く出来ていました。

このサンバーは、中古の5万キロのものを15000円で買ったのですが、旅行の後は、解体して、サンドバギーとして、学校の中を走り回っていました。 そのままほおって置いたら、知らないうちに処分されていて、無くなっていました。

昨年の3.11で強烈に思い出したのは、東北の田老の海岸です。 当時はあんまり意識しませんでしたが、大きな水門を通って海岸に出たことを思い出します。 珍しく銭湯に行って、確かスーパーで買い物をしたような記憶があります。 その後、有名になった高田松原の堤防の上で何かおやつを食べたような記憶があります。 カメラが壊れていて、写真がほとんど残っていないのが残念です。

先日の新聞記事で、PLCがハッキングされ、工場やインフラ設備がダウンする可能性があると言う報道がありました。 元PLC製造会社に居て、若いころにはPLCの設計もした当方としては気になる記事でした。 ネットに繋いでいなくてもUSBメモリなどからもハッキングは可能ですから安心は出来ません。

ハッキングの警告をだしているにも関わらず対応が出来ない事に業を煮やしたセキュリティ会社が、その手口を公表して大騒ぎになりました。 最近はサイバー戦争と言うような概念でも対応が必要とされています。 少し前ですが中国政府が主導したとされる大規模なサイバー攻撃がアメリカの主要な省庁にかけられたことがありますが、ロシア、中国は最大の攻撃国です。

かたや日本は、サイバー戦争ですら憲法9条の制約で・・・ みたいな、ほとんど冗談みたいな意味の無い議論になっているようです。 サイバー戦争ぐらい世界でトップの実力を持って欲しいものです。 ブロードバンドやスマホの世界的普及国ですから、逆にこれらを攻撃されたらひとたまりもありません。 サイバー戦争と言う言葉が嫌いなら、サイバー防衛なら良いのではないですか?

今月の読み物は、サイバー・クライム [単行本] ジョセフ・メン 著, 福森 大喜 監修, 浅川 佳秀翻訳。 読む前にはもっと技術・技術したものを想像していましたが、意外に捜査モノ風で、特にネットギャンブルの業界とロシアからのサイバー攻撃の実態と摘発のルポを中心としています。 もちろん技術的な話も出てきて、特に現役のサイバー犯罪を担当している監修者のインタビューが面白いです。 某府警本部のほんもののサイバーコップとも合ったことがありますし、講演もお願いしたことがあります。 20年近く前には、本欄でサイバー犯罪に使われるハッキングの実態を掲載したところ、物凄くアクセスが増えたことがあります。 当時は国内にはあまり情報が無く、たまたまアメリカのコンピュータセキュリティの学会に出席したので、その時の話を掲載しましたので珍しかったのだと思います。 流石にモロのハッキングツールを配布しているサイトは紹介できませんでした。
しかし技術的にみると面白いものが多く、これはちょっと使い方を変えるとハッキングツールになるぞ、と言うソフトも一般に散見されます。 こう言うのはシステムのメンテンスというか、トラブル解決に便利な物が多いです。
また、ETからの通信を大量のPCを使って行うSETIプロジェクトや、暗号の解読をこれまた多数のPCで行うようなプロジェクトは沢山あり、これはボットとほとんど同じで、原子力を爆弾にするのか発電につかうのかぐらいの区別でしかありません。 また機会があれば本欄で紹介して行きます。 いずれにしても、本書は少し高いですが、ワリと翻訳もこなれていて、読みやすいので是非一読を。

内容(「BOOK」データベースより)
ソニー事件は氷山の一角に過ぎない。今後間違いなく我々に襲いかかる“サイバー攻撃”“ネット詐欺”の全貌。ロシア・中国を拠点に国際化する凶悪なネット犯罪者たちの全貌に迫ったノンフィクション。
PART1:  カリフォルニアに住むコンピュータ・セキュリティの専門家、バーレット・ライアンは、インターネットを使った脅迫に曝されていたスポーツ・ベッティング企業を救ったことがきっかけで、同社の幹部らと関係を深めていく。その後の調査によって、犯人グループがロシアとその周辺国に住んでいることを突き止めたバーレット。だが、アメリカ捜査機関の腰は重く、しかもベッティング企業の正体がマフィアの資金源であることに気づき、苦悩を深めていく……。
PART2: バーレットから情報提供を受けたイギリス・サイバー犯罪対策庁(NHTCU)捜査官のアンディ・クロッカーは単身ロシアに乗り込む。お世辞にも外国人に優しいとは言い難い現地の捜査当局との関係構築に腐心しつつも地道に捜査を進めるアンディは、ついにグループの一味と目されるハッカー「bra1n」の逮捕に着手する。犯罪者と政府関係者の癒着、迫真の逮捕劇、そして裁判の行方……。






2012年2月1日
今年になって、やっと株価が上向いてきました。 実体経済はそれほど良くないのですが、EUは心配と言ってみてもしょうがないので、とりあえずよっこらしょという感じです。 塩漬けの株式を抱えている個人投資家もやっと少し戻ってきたようです。 いずれにしてもBPRが1を切る株式が続出と言うのは、異常な状態です。

国会は相変わらず迷走続きです。 消費税を10%に上げても財政赤字は変わらないと言うような報道もあり、年金の根本的解決には、まだまだ消費税が必要と言う話もあり、そのいずれもが正しいのですが、公表しないとか、まったくの迷走状態となっています。

ネバダ・レポートと言うのが、ちなみにありまして、IMFと日本の政府関係者とで秘密裏に作成され、2001年9月に一部の日本政府関係者に渡ったとされるレポートで、2015年までに日本の財政を立て直さないといけないと言う内容です。 現状のように単に消費税を上げるだけでは1000兆円にもなんなんとする政府の財政赤字(日本の借金ではありません、念のため)を減らすことは出来ないと言うことです。

幸い日本は国際経常収支は大幅な黒字です。 つまり日本国は借金どころか大幅な貸金を持っているんです。 問題は政府の財政赤字で、これ自体は問題ない(結局は国民の預金が回っているので、国民は黒字です)のですが、最大の問題は国債には利息が付くと言う事で、利息が1%アップするだけで10兆円が消し飛びます。 消費増税分なんかあっという間になくなります。 だから政治生命をかけて大層な決心をしても、文字通り焼け石に水なんですね。

ちなみに、ネバダレポートの中身は以下のような物です。 それぞれもっともなことで、7番8番まで行かなくても、本来実行していないといけない物です。 特に1番から4番までは現状の政治で出来るはずです。 現在の政治が非力で、5%の消費税アップも出来ないようだと、猛烈なインフレの後で下のようになりますね。 本来なら戦争があって、それに負けて、リセットするんですが、戦争も出来ないし、どうやってリセットするかです。 基本的に日本国内で預金をガラガラポンすれば、決着するのは他のギリシャとかとまったく異なる点です。 また日本は巨大なので、IMFであろうが中国であろうが助けることは出来ません。 それより先ほど言ったように自分で決着できるんですから、助けは不要です。

【ネバダレポートの要旨】
1.公務員の人員の総数を30%カット、給料も30%カット。ボーナスも全てカット
2.公務員の退職金は100%カット
3.年金は一律30%カット

4.国債の利払いは5〜10年間停止
5.消費税は15%引き上げて20%へ
6.課税最低限の年収100万円までの引き下げ

7.資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の5%を課税
債権・社債については5〜15%の課税
株式は取得金額の1%課税
8.預金は一律ペイオフを実施するとともに、第二段階として預金額を30〜40%カット


昨年から使い始めたスマホのその後のレポートです。 お知らせしたように、富士通のF12Cですが、あんまり人気はないようなので、大分値段は下がっているようです。

使用した結果は:
(1) バッテリがすぐになくなる。 1日持たないときがあるので、乾電池式の予備充電器が必須。

(2) すぐに落ちる問題は、その後バージョンアップがあり、落ちることはなくなりました。

(3) スマホを振ると着信する、ShakeCall はなかなか便利。 特に寒いときに手袋をしている時に電話が掛かってきたら、思いっきり振れば着信して会話できます。 慌てて手袋を外す必要は無くなります。

(4) 連絡先をいじっているとちょっとした事で発信してしまうことを防止するアプリも重宝です。 Bluetoothを使って発信するときに、イチイチ操作をしないといけないのは不便でしたが、その後Bluetoothの時には無効に出来るスイッチがあることに気が付いて、これも問題なくなりました。 自動車のハンズフリーでの発進も便利になりました。

(5) パケット通信料が高い。 これも以前にお知らせしたイーモバイルのルーター端末を契約すると良いと思います。 料金の安いサービスは、ポートとプロトコルに制限があって、Webとメールだけなら問題ないのですが、少し変わった使い方をしようとするとよくチェックした方が良いでしょう。 ちなみにフルサポートだと5980円で、通常の光ファイバと同レベルの料金になります。 常にルーター端末とスマホを持ち歩いて、スマホは定額ではなくてダブルパケホーダイにすると毎月2500円ほど節約できます。
不幸にしてルーターを忘れてきて、スマホだけで通信すると、ダブルパケホーダイはあっという間に上限に達するし、定額に比べると1000円高いので、その月はプラス3000円となります。 結局毎月1回そう言うことがあると、スマホ単体に比べて、EMのルーター端末2000円とダブルパケホーダイの1000円でトータル3000円の常時プラスに陥るかもしれません。
お金のある方は、スマホ本体をルーターに使うディザリングを契約すれば、通信機能の無いタブレットやPCも使えるので、一番スマートですが、料金が1万円ほどします。

(6) 日本語の入力に関しては、一番関心のあるところだと思います。 結論的には入力はしづらいです。 ちょっと横をタッチすると入力ミスする。 F-12Cでは、ケータイ方式の数字キーでの入力とフルキーボードとあと手書き入力が可能です。 簡単な漢字も入力できて、意外に認識率は高いです。 他の入力と混用しています。

(7) IPカメラを使ってペットなどを遠隔でビデオ画像をご覧になっている方は、IP Cam Viewerが便利です。 どこのメーカーのカメラでもOK。 お金を払って(500円ほど)購入すると、画像はいくつでも登録できます。 ビデオ録画も可能。 マイクを搭載しているとサウンドも聞けます。 画面をなぞるとチルトもパンも可能です。 欠点は、物凄い数のカメラが登録されていますので、その中から適当なのを探し出すのが大変でした。 ネットを探すとその情報も出ています。 カメラにオリジナルで付属しているソフトより遥かに良く出来ています。 メーカーに依存しないのが助かります。

今月の読み物は、 「日本経済が何をやってもダメな本当の理由」 櫨 浩一 著 ¥1,995。 花見酒の落語を引き合いに出して、国内消費が重要だと説いています。 全体に賛成かと言われると疑問符がたくさん付きますが、貿易黒字さらには経常黒字は自国にとっては良いことだが、地球上のどこかでは赤字が出ていると言う発想は、目から鱗でした。 貿易立国とは、輸出を増やすだけでなくて、輸入も増やす、トータルでとんとんにすべきと言う主張です。 輸出を増やすと円高になって輸出にブレーキが掛かると言う至極尤もな現象が起きているだけでしょう。

しかし考えてみると、これだけ燃料を輸入しても、貿易赤字にはなりましたが、それほどの赤字にはなっていないのは円高のおかげなんでしょう。 これが円安の状況だと、もっと影響が深刻になっていたのかもしれません。 またイラン危機でもガソリン代があまり上がらないのは、ガソリンは軽油などを精製すると勝手に出来てくるみたいで、供給がそれほど細っていないと言うことです。

こう言う見方もあるんだと言うことで、一読あれ。

内容紹介
はるか昔に先進工業国になったのに、貧しかった時代の生産優先の発想から脱却できない日本。供給力ではなく消費の不足こそが長期低迷の原因だ! 日本経済の呪縛を糾し、真の豊かさ実現への道を示す。






2012年 元旦 あけまして、おめでとうございます。
昨年の卯年は跳ねるとの相場格言だったのですが、何と大震災とさらに大きな災害の特大級の原発事故が発生して、大変な「跳ねる卯年」でした。 経済的にも株価は跳ねるどころか、ヨーロッパが跳ねてしまって、リーマンショックの再来が心配されています。

大阪の政治も跳ねて、大阪都に向けた動きが始まりました。 一方、国政の方は最後の土壇場で消費税の素案が決まったのですが、これからの国会審議などのハードルが高く市場はほとんど反応しなかかったようです。 総理大臣の意気込みに関わらず、誰も信用していないと言うことでしょう。 1年を終わってみると、良い悪いは別にして、大変に跳ねた年でありました。

さて今年はどのような年になるのでしょうか? やはりヨーロッパが大きな影響を持つでしょう。 ヨーロッパの動き如何では、リーマンショックの再来と言うことになり、消費税に代表される増税にも影響を与えるでしょう。 株価はヨーロッパ如何ですが、年末には持ち直すと言う見方もありますが、これは昨年正月に聞いた話ではないかいな。 いつでも1年後なんですね。

 相場格言で見ると、12年の辰年は十二支中、最も良いパフォーマンスを残しています。東京証券取引所が再開された1949年以降の日経平均の平均騰落率で、辰年はプラス29%と上昇率1位。他方、「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり」の相場格言もあるそうです。 また、過去の辰年には明治維新(1868年)、日露戦争(1904年)、サンフランシスコ平和条約(52年)、東京オリンピック(64年)などがありました。

大阪都を目指す大阪は取り敢えずは元気が出てくると思います。 それにしてもタイミングが絶妙。 2年後に総選挙があると言うことを最大限に使って、これをテコに国政を動かそうとしているんですな。 確かに日本は大きな国で中央政府を動かすのは大変ですが、その気になればできないことではないと思います。 大阪のスピードを見習って欲しいもんです。

少しでもサラリーマンとして組織改革にタッチしたことのある方は、わかると思いますが、これくらいのスピードと意欲を示さないと組織は動きません。 それにしても大阪市の役人さんは、勝負の前から全面降伏。 あれだけ揉めた水道事業の統合も一発でしたね。 はやり地方自治とくに政令指定都市のある府県はどこも同じような問題を抱えているので、しばらくすると全国に波及するでしょうし、そうなって欲しい。

同様の行政改革も必須で、大阪市でもやった補助金の根本的見直しをして、歳出の穴を塞がないと、いくら増税して収入を増やしても、下に抜けていくだけです。 穴が空いて税金が漏れている現場を、ここ10年ぐらいで実際にいくつも見てきました。 基本的には増税や社会保障負担の増額は必須ですが、歳入の改革だけでなく歳出の大幅改革をしないと増税した挙句に、さらに政府債務が減らないことが起きて、今度は増税と言う手段も使えず、本当の袋小路に入ってしまいます。 TPPや消費税の反対論の中に、現在の政府ではダメ、と言うのがあって、その通りだと思います。

それにしても「借金大国」と言うのはやめて欲しい。 日本は貿易収支こそ赤字に転落しましたが、全体の国債収支は相変わらず黒字です。 日本国の借金はトータルでは無いです。 単に政府が債務を膨らませているだけです。 従って、大増税しようが、銀行預金の制限をしようが、インフレで所得移転が起きようが、所詮日本の国の中での話なので、日本で自己解決できる範囲です。 もし出来なければ、ギリシャみたいな小さな国ではなくて、落ちたと言え世界第3位の経済大国ですから、IMFであろうと、どんな大きな国でも救えません。 世界を道連れにすることになります。

さてITの話題は何と言ってもクラウドが進展したことでしょう。 とくに昨年にスマートフォンが急激に浸透したことでクラウドが現実のモノになりました。 やはり数ですね。 インターネットも数が少なく、大学や技術者の間で使われているうちは、大したものでは無かったですが、PCやとくにケータイで使われだしたことが大きなインパクトを持ちました。 クラウドが進展したことにより、従来から私も言っていた「統合されたハード(機器)とソフト、サービスが顧客満足を高め、収益拡大をもたらす。」と言うことがますます現実味を帯びてきました。 アップルのジョブズがそれをイチハヤク実証して見せました。

日本の得意なモノ作りのハード(機器)はどうしても収益が低いのです。 とくに発展途上国が参集してきたために、日本国内の収益も下がり、従って賃金も下がっていくと言う悪循環に陥っています。 ソフトやサービスは本来収益率が高いのですが、あまりパテントが効かない、また開発周期が短いために、新規参入が容易で、結果的には低収益になります。 常に収益を出すためには、大きな開発が必要となり従来の安定を目指す日本の経営者には嫌われていました。 しかしこれからは、ハード(機器)の単なる高信頼性では顧客満足は得られず、アップルで見られるような、トータルのサービスまで統合した製品が必要となっているのです。

 日米欧の自動車・電機産業に詳しいカリフォルニア大学バークレー校ハースビジネススクールのロバート・コール名誉教授は日本経済新聞のインタビューで、「先進企業はIT(情報技術)をコスト削減のための補助的手段ではなく、イノベーション(技術革新)の中核技術と位置付けている」と指摘しています。
 
クラウドの進展によって見込めるのは、最近IOTと言う見慣れない用語で紹介されている Interenet of Things です。 これは人でなくて物をネットで結ぼうと言うものです。 これは何だと思って見てみると、何と10年前に我々が提唱したM2M(Mahine to Machine)と同じものでした。 引き合いに出されている例も10年前のものが多かったです。 どうも国産OSの Tron と 同じ 坂村さん提唱のユビキタスのリバイバルみたいです。 しかし10年ひと昔。 通信手段も大きく変化し、当時はケータイ用のDopa通信しかなく、その後Wimaxなどが導入され、サーバー側のクラウドと相まって全体のシステムが復活したのだと思います。 ちなみにDopaもアナログTV放送停波に伴う変更で、現在でもほとんどFomaに切り替わっていますが、今年の3月にとうとう停波するようです。

今月の読み物は、こう言う飲み物が講談社から発売されていた、と言う少し元気が出るかもしれない 伝説の「どりこの」 一本の飲み物が日本人を熱狂させた 宮島 英紀 (単行本 - 2011/11/11) ¥1,575。

こう言う飲み物が戦前から戦後に掛けて昭和に存在したことを全く知らなかったので読んでみました。 ルポとしてはなかなか面白い。 文章もまあまあです。 講談社と言う出版社にも関わらず、何でも取り組む組織風土と言うか社長の個性。 「どりこの」と言うネーミング。 いかにも高価な容器とパッケージ。 いずれも商品論、組織論としても面白い。 この飲み物の競合はみなさんもご存知のカルピス。 同じように水で薄めて飲むのですが、こちらは僧侶出身者らしいです。
内容紹介
それは、かつてこの国を席捲し、誰もが知っていた飲み物である。誰がどう作ったのか? なぜ昭和を代表する飲み物になったのか? そして、なぜ消えたのか? 謎の飲み物から新しい昭和を描き出す、発掘ルポの傑作!!
内容(「BOOK」データベースより)
「どりこの」―かつて、この国を席捲した飲み物。旧陸海軍でも用いられた滋養飲料を大々的に売り出したのは…なんと講談社だった。「聖水」と呼ばれるほどの人気を博したが、太平洋戦争の激化にともない製造中止に。戦後、一時は復刻されるも、開発者の死と共に消えていった…。誰がどうつくったのか?なぜ昭和を代表する飲み物になったのか?どうして現代では製造できないのか?「どりこの」ミステリーから、昭和の新たな姿が見える。