パーティションとブートの基礎知識
99.6.9 修正
基本パーティションと拡張パーティション
一つの物理ドライブ(店で買ってくるディスクの単位です)で「4つの基本パーティション」、もしくは「3つの基本パーティションと1つの拡張パーティション」が作れます。 一般的には後者の3つの基本パーティションと1つの拡張パーティションの構成にします。 以下で述べるように、拡張パーティションの中にはいくらでも論理パーティションを作る事が出来ます。
基本パーティションの内の一つと論理パーティションにはそのままドライブレターが割り振られます。 Cドライブとか言うのはほとんど基本パーティションです。 3つの基本パーティションの内の1つをアクティブパーティションに指定でき、ここからブートが出来ます。 反対に他のアクティブでないパーティションからはブートできませんしドライブレターも割り当てられません。 後で述べるように、ブートマネージャーを使うと見かけ上ブート出来るようになりますが、これは一度ブートマネージャーが最初のブートで立ち上がっているのです。
一つのシステムでは基本パーティションは一つしか使えません。 残りのパーティションは「隠しパーティション」となります。 従って、以下のようにブートマネージャーを使って、マルチOSで使うときには共用のパーティションとして論理パーティションを作っておく必要があります。 こうすれば、一つのOSで作成したデータを他のOSでも使用できるようになります。
論理パーティション
拡張パーティションはそのままでは使えません。 拡張パーティションの中に更に論理パーティションを作る必要が有ります。この論理パーティションの数には制限が事実上ありません(10も20も通常はパーティションを作りませんから)。
なぜこんな複雑な構成になっているかと言うと、元々は4つのパーティションで十分と考えられたのですが、ディスク容量が飛躍的に増大したのと、システムが複雑になってきたので、拡張パーティションが作られたのです。
DOSや95の立ち上げディスクに付属しているFDISKでも複数のパーティションの作成と削除が出来ます。 ただパーティションの中身をそのままでサイズの変更や移動は出来ません。 またエラーメッセージも親切ではないので、エラーメッセージが出なくて操作だけが無視される場合もあります。
第1パーティション
基本パーティション
例:ブートマネージャー
第2パーティション
基本パーティション
例:NTFS
第3パーティション
基本パーティション
例:FAT DOS/95/98
第4パーティション
拡張パーティション
(論理パーティション群)
NTの場合ですと、 第1はブートマネージャー、 第2はNTFS、 第3にはFAT、Cドライブ以外のディスクは第4と言う風に使い分けると良いでしょう。 第3のFATパーティションには Windows 95 や 98 をインストールしてダブルOSで動かすのも面白いと思います。 もちろんOSが一つのときにはブートマネージャーは不要で、目的のパーティションをアクティブにして直接ブートできます。
注意:
Windows NT を使っている場合には、インストールした後にパーティションの移動やディスクの移動は避けてください。 この場合には boot.ini の修正が必要になります。 もしこれを行わないと、ローダ自身のブートは指定どおりに行われますが、その後の動作は boot.ini に従うので、変更前のところからのロードになってしまいます。 この様な現象が現れたら、それは boot.ini の不整合にあります。 boot.ini の修正は、パーティションは1から始まり、他のパラメータは 0 から始まる事を知っておけば、そんなに難しいものではありません。 しかし、問題が起きてからNTFSのファイルは修正できません。 別に述べるように、こう言う作業を行うときには別途にブートディスクを作っておきましょう。
安全な方法は、インストール後のパーティションの追加はディスクの後方に追加することです。 こうすると前述の問題は起きなくなります。 最近は便利なツールが出てきましたので、パーティションの変更も昔ほど面倒では無くなりましたが、システムがパーティションを含めて管理を行うようになったので、新たな問題が出てきています。
ブートの仕組み
電源が入るとまずBIOSが動作します。 最初の文字ばかりの画面がそうです。 このBIOSの動作の最後に起動ルーチンが最初の立ち上げディスクをアクセスします。 ごく通常の設定ですとまずFDのAドライブがアクセスされます。 ここにメディアが無いと次にディスクドライブの内の最初のドライブの先頭物理セクタからマスタブートレコード(MBR)が読み込まれます。
MBRが壊れた時は fdisk /MBR で復帰できるらしいのですが未確認です。 MBRは物理セクタの先頭にあるので結構良く壊れます。 泣く泣くフォーマットから再インストールするのは本当に情けない。
マスタブートレコードには「マスターブートプログラム」と「ディスクパーティション情報」が格納されており、BIOSから動作を引き継いだ「マスターブートプログラム」がパーティション情報をチェックして、アクティブなパーティションに動作を渡します。
アクティブなパーティションの先頭にはそのパーティションにインストールされた各々のOSのブートプログラムが有り、そのブートプログラムがOS本体をブートします。
ブートマネージャーを使う場合
ブートマネージャーを使う場合は、以上の手順の最後の段階がが一つ増えるわけで、OSがブートされる代わりにブートマネージャーがブートされます。 ブートされたブートマネージャーは指定されたパーティションへ制御を渡します。 その後は上記のOSのブートが始まります。
ブートマネージャーの格納されているパーティションがアクティブであれば他のパーティションはアクティブでなくてもOSはブートできます。
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