シリコンバレーだより(9)
カーネギーメロン大学にLUNA88Kを贈呈してきました
前回の「シリコンバレーだより」でも紹介しましたように、オムロンはLUNA−88Kマシンを、モトローラとの共同で40セット寄贈しました。 その贈呈式が今年の6月22日にカーネギーメロン大学(CMU)で開かれました。 出席はオムロンの技術の総師の秦野専務、CMUのサイヤート学長、この人のスピーチはさすがというか格調がえらく高かった気がします(紬かい所は理解できんかった)。 Mr モトローラともいわれているモトローラのゴールドマン氏。彼は、モトローラのマイクロコンピュータ部門の総師です。 名前は忘れましたけどCMUの事務局の人。 モリス先生、 この方は以前一度、長岡事業所で講演をしていただいたことがあるので知っている人も多いと思います。 ワクラー氏、CMUの事務局長的な人で、このドネーションの窓日となって色々お世話になりました(なってます)。 かの有名なMachのラシッド先生はなかなかスマートな感じがします。 モトローラのソフトウェア部門のマネージャーのバー氏。 このドネーション(寄贈)の、モトローラ側の窓口になってもらった人です。 もう一人のモトローラの人は名前は忘れてしまったのですが(名刺持ってなかったので)、なんでも88Kのアーキテクチャーの開発者だそうです。 マシンのぞき込んでしきりに関心してました。 さらに御存知オムロンの市原さんと私。
このブロジェクトは現在も進行中で、CMUとオムロンとの太いパイプづくりに大いに役立っています。 9月下旬にはCMUの25周年記念のセミナーがあるそうですから、興味のある人はドンドン行って下さい。
また、このブロジェクトと平行して、ピッツバーグの拠点づくりもやっています。現在、CMUより歩いて10分ぐらいの所にアパートを借りて拠点にしています。アパートといっても150平米ぐらいあって屋上ではバーベキューパーティもできるそうです。管理人の話では星空が特に美しいそうなので、星に関心のある人もCMUへ行ってみて下さい。
本来は、ここでピッツパーグの紹介をせんといかんのですが、何しろトータルでも、4〜5回しか行ったことがないし、それもCMUの構内ばかりなので何も書けません。そのうちに、だれかにお願いして「ピッツバーグだより」を書いてもらうことにしましょう。
CMUのリアルタイムMachプロジェクト
CMUでは、このMachプロジェクトに関連していろんなプロジェクトが走っています。その一つは、徳田先生が中心になって進んでいるリアルタイムMach(UNlX)。 これは単に割り込み処理を速くするというのではなく、各々のプロセス(タスク)に要求される応答時間を設定し、その要求時間内に完了するためには、何をどーせんといかんか? ということがポイントです。
これは、「リアルタイムとは何ぞや?」 という質問に正面から取り組むものです。 何でも最初のバージョンは1ボードマイコンに組み込むとのことです。こうなるとがぜん親近感が出てきますネ。 この他には、「高信頼性Mach」があります。 究極的にはフォールト・トレラントなのですが、何のためのフォールト・トレラントかというと、要するにファイル、その他を問わずデータが完全に保全されれぱよいわけです。 こういう観点から逆に見てみると、今日話題になっているウィルスなんかも防ぐことができないと、完全なフォールト・トレラントにならないわけです。
こういう点、アメリカはさすがというか奥が深いというか、ウイルスさわぎが起きるずーっと前から国防省がこのセキュリティに関して規定を持っていました(その本の表紙にいろんな色があることから、レインボーブックと呼ぱれています)。 高信頼性Machはこの規定を高いレペルで実現しようとするもので、最終的には、現在のフォールト・トレラントの機能も含んでしまうというものです。 また、スペクターという先生がMachの上でキャメロンというトランザクション・ファイルシステムをつくり上げ、現在はTransacという会社をつくってそのシステムを売っています。 もっとも、現在はまだ完全に完成していないので、AFS(アンドリュー・ファイルシステム)という、NFSみたいなものを売っているそうです(このAFSは、標準化囲体のOSFが採用を決めています)。
こう見てくると、Machに関係するともCMUのプロジェクトは、システム事業を目指すオムロンにとって、不司欠な技術が多くあることがわかると思います。 こういう意味でもCMUとオムロンの結びつきは、当然というか自然な感じがします。
私のサイフはカードでいっぱい!
とここまで書いて、次に何を書こうかなー とまわりを見渡したら、私のサイフの中にカードがぎっしり入っているのが目に入りました。 ついでに数えてみると、全部で何と50枚!ちなみにクレジソトカードだけでも11枚ありました!(ヒェー)。
その他のカードは、以前紹介したことのあるエアラインの会員カード。 ある規定のマイル数を飛ぶと、ただチケットがもらえるというものです。さらに最近はホテルも同じようなことをやっていて、ただの宿泊ができるようになってます。 ここまでならいいのですが工アラインはホテルと、さらにレンタカー会社と提携していて、またホテルはこれとは別にレンタル会社と提携しているという複雑きわまりない関係になっています。
一度、ホテルに泊まってこれらの特典を得ようとすると、トランプのカードよろしく次から次へとカードを出さなければなりません。 じゃまくさいので全部のカードをセロテープでつないでたたんでおき、イザとなったらバーと広げて見せて相手に選ばせるとよい、というアイデアを出した人もいるぐらいです。 アメリカ人はこういうたぐいの特典には非常に熱心です。
日本でもそろそろOKになるという話の「広告につける割引きクーポン」。アメリカ人はこまめに広告を集めていて、こまめにそのクーポンを使います。日本もいずれそうなるのでしょうが、スケジュール作って早く買うと航空券も安くなるという話同様、努力すれば報われるという精神が実感として伝わってきます。
クレジットカードの支払いも同じで、日本では勝手に銀行の口座から引き落されますが、アメリカでは口座自動引き落しというのは極めてまれで、必ず金額をチェックし納得したらパーソナルチェックを切って郵送します。 しかし、クレジソトカードを使うときは極めていいかげんです。 私も、なんで11枚ものクレジソトカードを持っているかというと、1枚のカードで使える限度が1,000ドルとか2,000ドルとか少ないためです(日本では通常50万円ぐらいまで使えるのではないですか?)。 何か買物をすると店員はCAT(クレジット・オーソーリゼーション・ターミナル)で残高をチェックして、ダメなら「他のカードありませんか?」といとも簡単に間いてきます。 それでここでも、次から次ヘカードを出すハメになるのです。 CATのなかった時代は、それはひどいものだったそうです。 現在でもアメリカのクレジットカードを持つと年間30〜50ドルの会費をとられます。 これはいかに取り立てのできないものが多いかということがわかります。
チップの計算のしかたを教えます!
あとお金で面くらうのはチップ。 レストランでは15%ぐらい払うべきなのですが、アメリカ人でもいろんな人がいて、まったく払わんという人からファーストフードの店でもチィップを置いてくる人までまちまちです。 いずれにしてもサービスが悪かったらチップをまったく払わないか、1セントだけ置くイヤミとかできるので、日本みたいに頭から15%請求されるより、よっぱど合理的です。 チップの置き方にも色々あって、特に面白いのはクレジットカードで支払うとき。 だいたい暗算して15%分書き込むのですが、その計算に四苦八苦。文房具屋さんへ行くと15%を計算したチャートを売ってます。それもないときは、電卓を取出して計算してました。
何でこの計算がややこしいかというと、日本人は本能的に合計がキッチリになるよう(端数が出ないよう)一生懸命調整するために、時間がかかるのです。 昨今は消賛税が導入されたので端数恐怖症はだいぶ減ったと思いますが、1ドル以下に数字があるのは何となく落ち着きません。
ここで簡単なチップの計算方法を教えましょう。要するに、結果をあわそうとするから難しいので、チップの金額をラウンドナンバーにすれぱよいのです。 例えぱ、$65.28という請求書がきたら、上の桁の“6”に“2”をエイとかけて$12.00がチップです。チップの下が0なので足し算も楽です。この場合、20%近い率になりますが、15%で計算しても$9.79ですから、その差は2ドル(300円)。1万円近い飲食で300円の差はどう思いますか? やっぱり気になる人は、電卓で計算を!
もっとややこしいのほ、日本みたいに後でレジで払う場合や、現金で払う場合です。 レジで払う場合は、食卓の上にチップ分だけ置いてレジではキッチリ払います。 以前にこんな店に入ってどうしたらよのかわからなかったので、ウエイトレスのおばさんに聞いたら、10分ぐらいかけて懇切ていねいに教えてくれました。 それ以来、忘れようとしても忘れられません。 現金で払う場合は、とにかく一度キッチリ払ってからそのおつりの中からチップ分だけ置いておきます。
この時も小銭はダメで必ず1ドル単位になります。 いちいちもってきてから置くのはメンドウくさいからと、「おつりはいくらがいいよ」とか「おつりはいらないよ」と言ってもダメです。 よく考えたら、代金を持って行った人が必ずチップをとる訳でもないし、また一度レジにはいったお金からチップ分を取るのもできないということらしいのです。 あ〜しんど!
ホテルでチップは必要か?
チップで最も訳がわからんのはホテルのチップ。某大手旅行会杜の海外旅行ハンドブックには、一晩1ドル置けとか枕の下へ置くとかの指示が必ずあります。 私は不思議に思っていろんな人に聞きますが、そんなことやったことがないというアメリカ人ぱかりです。 私なんか一度モーテルでチップを置いて出かけました。帰ってきたら、キチンと机の上に整理して置いてありました。 忘れて行ったと思ったのでしょう。 それ以来、よほど何かをしてもらった外は、チップは置かないようにしてます。 長い間、フォークの背にごはんをのっけて食べるのがマナーと思われていたことと同様、何かの誤解のような気がします。
アメリカ人も現金を持ち歩きだした!
「アメリカ人は現金を10ドル以上持たない」というのは、10年ぐらい前までの話らしくて、最近はキャシュディスペンサが大はやり。 たまたま銀行のディスペンサの前で10分ぐらいポーとしていることがあったので見ていたら、次から次へと切れ目なくお客がありました。ディスペンサもバカチョンに出来ていて、ワンタッチだと40ドルが出てきます。 その他のやり方でも、メニュー式で300ドルまでのメニューの中から選ぷようになっています。さすがにカードの国! その銀行が発行したクレジットカードについては、そのディスペンサで口座振替えができるようになってました。 どうせなら自勤引き落しにしたらいいのに・・・ と思いましたが、いいかげんなようでどっかで線を引いているのがアメリカ人なんですネ、ハイ。
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