「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。 2014年 12月 1日 11月 3日 10月 1日 9月 1日 8月 2日 7月 2日
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2014年12月1日
あっと驚く異次元金融緩和第2弾と衆議院解散。 良くも悪くもフットワークが軽いと言うか、決断が早いと言うか。 黒田金融緩和で、これで消費税アップは決まりと思って、本欄でも紹介し、黒田さんもそう思っていたはずで、これでダメ押しと言う感じでしたが、どっこい安倍政権と言うより安倍総理が大技でひっくり返したと言うことでしょう。 消費税3%アップ時から安倍総理は迷っていたし、2%は更に迷っていた。 迷っていたと見えるより、本人は夏頃から上げない方向になっていたんではないでしょうか。

黒田2次金融緩和で、これは財務省の方向に乗ってしまうと言う危機感で、それに対抗するのが解散だったわけです。 世の中では大義の無い解散とか言ってますが、内実は対財務省プラス日銀に対する解散なのですね。 法律に経済条項があるから、それで増税を延期したら良い、と言う評論家も居ますが、これは政府の中の政府と言われる財務省や自民党内の増税派の力を過小評価したものだと思います。 1年半後の増税時の経済条項外しは、海外の評価では無くて財務省や自民党増税派への約束です。

それにしても公明党は、軽減税率にこだわりますね。 逆進性の是正にもならない上に手間はかかるし、何で固執するのか分かりません。 2%アップで結局は1%は軽減税率の財源になるなら、最初から1%アップにしておけば良いと思うんですが謎です。

そんなこんなで株価は急上昇し、そのまま時々利益売りで下がるものの、アメリカ市場が好調なこともあって、17000円をキープしています。 年末には18000円になるとの見方も多いようです。

総選挙の結果が見逃せません。 結果次第では株価は大きく動くでしょう。 前回の総選挙は自民党の大勝でしたが、得票率はその前の大敗した時とあんまり変わらずで、与党と野党の選挙テクニックの差が現れただけでしょう。 今回も野党はまったく準備が出来ていなくて、本来は野党は政権を取るために解散を求めていくはずが、今回はそれに反対と言う、奇妙なと言うより野党の準備不足、不甲斐なさがハッキリしたと思います。

原油価格も大幅に下がり、円安の日本としては有難い限りですが、政界経済が冷え込んできていることや、日本の物価上昇に寄与しにくくなっていることは、3%成長、2%物価上昇を掲げる安倍政権にとっては、痛し痒しのところでしょう。

このところの円安で、日本のGDPは中国の半分になり、一人当たりGDPではとうとう24位まで下落しました。 北欧の国に次いで3位だったころが夢みたいです。 円安は世界の中の国や個人の価値が下がると言うことです。 力が落ちてるので、お金をばらまいたり、輸出がやりやすくなったりで、がんばって自国通貨を上げてね、ということですから、円安の今が頑張りどころ。 日本が復活して、名実ともに円高を享受したいと思います。

水素で動く自動車が市販されました。 トヨタが発売した燃料電池車(FCV)「ミライ」は、政府の補助金を入れると500万ぐらいで買えるそうです。 しかし燃料を入れる水素ステーションがほとんど無いので、実用は無理かも知れません。 本欄でも紹介したように水素を液体に反応させてしまって、ガソリンを入れるように水素を入れる方法もいずれは実用化されて、この時には本当に水素社会が成立すると思います。

最初に水素の話を聞いたときには、水素を発生させるために莫大なエネルギーが必要で、結局その時にCO2も発生し、単に問題が自動車から水素発生場所に移動しただけでは無いかと思ったのですが、水素は原油の生成過程で大量に発生し現在は捨てているようですので、これを集める。 また、石油製品から大量に、ガソリンをなどを生成するより効率よく発生できるようです。 さらには検討中だが、現在の状況では実現が難しいと思われる原子炉の一種の専用のガス炉で大量に作ることが出来るようです。 いずれにしても完全にCO2フリーではないですが、原理的には原発なみのCO2フリーが実現できます。

今月の読み物は、「反日」中国の文明史 (ちくま新書) 平野 聡著 Kindle版 ¥750 新書 ¥907

お勧め度 ★★☆ 時間あったら読んでみてください。

反中国を煽るような本も沢山ありますが、ここは冷静に歴史を振り返ってみたらどうでしょうか? 意外に中国の歴史は知ってるようで知らない事も多いです。 漢字にしても、何故漢字のような表意文字がこの地域で残ったのか? 多民族国家である中国や日本のような周辺国は、ヨーロッパなどとは異なり、言葉が全く違っていて、それを統一的に意思疎通するために、漢字が発達したと思います。 文字は同じで意味は取れるが、それぞれ別の発音、喋り方をしていたと思います。 日本でも音読みと訓読みを分けることで、いわば中国語と日本語の相互乗り入れが可能になりました。 高校時代の漢文の授業は苦痛で、何故こんな読み方をしないといけないのか分かりませんでしたが、要するに中国語をリアルタイムで日本語に翻訳して読んでいたんです。

こう言う観点でも、中国が膨張主義で、南蛮夷敵の発想をするのかが良く分かります。 こう言う極めて深い底流のなかに、共産党の自己保身が重なっているのではないかと思っています。 現中国政府の言う歴史は、本当の歴史と意味が全く違いますが、本当の歴史を勉強して未来に繋げていくべきですね。









2014年11月3日
驚きましたね。 世界中が驚いて世界同時株高。 サスガは黒田マジックで、完全に裏をかきました。 たまたま外出していたので、夕方にチェックしてみると、手持ち残高がエラく変化している。 何かの間違いだと思って、日経平均を見てみると750円以上のアップしている。 この時点でも何が起こったのかが、分かりませんでした。

金融緩和だけにしてはおかしいと思いましたが、以前から話の出ていたGPIFの投資組み替えも同時に出たのが効果的だったようです。 株式市場への直接インパクトはNISAどころでは無いです。 アメリカのQE3の終了と、日本の経済状況が少し底を打ったタイミングとで、絶妙でした。 おまけに3連休に入る直前で、エコノミストの誰かが予測していてもおかしく無いと思いますが、誰も想定してなかったようです。

本欄の昨月号でも次のイベントは消費税増税の判断と書いていたように、金融緩和はその後だと思っていました。 しかし逆に見ると、物価上昇2%にはほど遠く、景気は足踏み、原油価格も下がってきて、この状況では消費税増税の判断はしにくく、もしやってもその反動は大きいものとなるでしょう。 いずれにしても今回の金融緩和は積極性と言う点では最高の規模とタイミングでした。 連休明けからの市場の動きから目を離せません。

この緩和によって消費税増税は固まったと思います。 こんな短期間に2回も増税するのは世界でも例がないですが、ことここに至ると、引き上げざるを得ないでしょう。 私は増税延期論ですが、黒田総裁の狙いの一つに、増税消極論を封じる狙いもあったと思います。 2%の消費税アップで、何としても力ずくでも2%の物価上昇を実現させると言う意思表明であり、これで一部にくすぶっていたデフレ脱却懐疑論とも言うべき消極論を一蹴する効果があると思います。

アメリカはQE3を終了。 日本はこれと消費税で何とかデフレ脱却。 残るはECです。 ドイツが大変身して財政規律と少し緩めると話は異なると思いますが、今のままでは、日本と同じデフレ突入です。 日銀の動きを一番気にしているのはEC、ドイツでしょう。 他では、むしろ中国が問題ですが独裁の国のメリットで、金融政策などは自由自在ですのでリーマンショックみたいな大崩れはしないと思います。 ECが復活すれば中国も助かる。 新興国はドルが絞られるので、落ち込むというか、元の木阿弥になるだけ。

科学分野の大きな話題は、何と言ってもLED関連特に青色発光LEDに関するノーベル賞受賞です。 ブルーレイディスクのブルーはこの場合は青色レーザーですが、同じ技術の上に出来上がったのです。 LEDそのものの発光出力も大きくなり、電球や蛍光灯を置き換えるエジソン以来の革新的な発明となりました。 LEDそのものの発明やその後の高出力化に貢献した人も居ると思うのですが、大きな貢献をした人が見当たらないのか、今回の受賞には含まれませんでした。


LEDは消費電力が極めて少ないとされていますが、照明に使われるような高出力のLEDは結構電力を食います。 フィラメント敷の電球は点灯していると触れないほどの熱を発生しますが、これが発光効率の悪さを示しています。 要するに消費電力のほとんどを熱として消費し、ごく一部のエネルギーが光となって輝いているのです。 LEDでも状況は同じで、一部は熱として消費されます。

熱として電力を消費するLED照明器具には、大きな放熱板が付いています。 LED電球で半分ぐらいは光っていない部分があるのはそのせいです。 確かにLED電球は発光効率は良いのですが、熱になる分が結構多いので、常時15Wぐらいは必要なようです。

最近蛍光灯タイプのものが安価に出てきたので、試してみました。 ただ蛍光灯には安定器と言う回路が入っていますので、少し手間が必要です。 、安定器を外してしまう方法と、グロウスタータ球を外すだけと言う2つの方法があります。 安定器を外す方法は、手間がかかりますが、LED蛍光灯も安くて、良い方法ですが、何かの都合で元の蛍光灯に戻そうとすると、また安定器をつなぎ直さないといけないと言う問題があります。 2番目のグロー球を外すだけなら、元の蛍光灯に戻すのも手間は少ないと思います。 もっともこの場合はLED蛍光灯の値段も少し上がります。

試したLED蛍光灯は海外製品ですが、2ヶ月ぐらいで半分が消えてしまって無料交換しました。 新しいのは少し暗くなったような気がします。 いずれにしても、LEDそのものの寿命以外に、特に海外製品は安価ですが初期不良が結構多いようで、注意が必要です。

今月の読み物は、影法師 講談社文庫 百田 尚樹著 ¥700
お勧め度 ★★☆ はまるか、はまらないか、両極端

大阪出身の作家自身はあまり好きでは無いので読まなかったのですが、たまたま読むものがなくなって、買いました。 如何にも作ったと言う感じの時代小説ですが、それなりにストーリー性もあり、最初の部分は面白くなかったですが、後半になるに従って面白くなりました。 いずれにしても話が出来すぎなので、しらけてしまうかも知れません。 Amazonの書評でも号泣した人から、読むのが苦痛で途中で止めた人まで賛否両論。

内容説明
光があるから影ができるのか。影があるから光が生まれるのか。国家老・名倉障蔵が追った竹馬の友・彦四郎の不遇の死、その真相とは。

内容(「BOOK」データベースより)
頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一は竹馬の友、彦四郎の行方を追っていた。二人の運命を変えた二十年前の事件。確かな腕を持つ彼が「卑怯傷」を負った理由とは。その真相が男の生き様を映し出す。『永遠の0』に連なる代表作。







2014年10月1日
株価は一気に活況を呈してきました。 IT関連では短期間に2倍になった銘柄が珍しく無いようです。 香港が騒ぎになったり、御嶽山が噴火したり、いろいろ切っ掛けはあるようですが、総じて上昇傾向にあることは間違いないようです。 御嶽山で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

次の株価の大きなタイミングは消費税の増税判断でしょう。 上げるにしても上げないにしても、その影響は大きいと思います。 各種の経済指標は良くない数字が出てきていますので、ますます判断に迷うところではありますが、大勢は上げる方向となっています。 一つの政権で2回も立て続けに、しかも倍増すると言うのは前代未聞の事です。 これで政権が倒れなかったら、20%への道は開けたと言うことになると思います。 しかし例えこうなっても政府の債務残高は減らずに、1%の利率アップで10兆円が飛ぶと言うリスクは抱えたままです。

民主党などは無責任に批判しますが、経済成長率を金利上昇率より常に上回る(通常はあり得ない)と言う、非常に難しいナローパスしか日本には残されていません。 成長は無理だと言う論調もありますが、成長以外に財政赤字への処方箋は無いと思います。 もしくは少なくとも国民が持つ国債の利率をゼロにするか、残高をゼロにしてしまうと言う、戦後の悪夢を実現しない限り答えは無いと思います。

ヨーロッパもかなりおかしくなってきて、日本化が囁かれていますし、中国も地価の下落が止まらず、日本からの投資も大幅に減って、習政権としては、これ以上対日本に強硬になって、事態が悪化するのを防ぎたいでしょう。 APECと言うタイミングで何とかしようと言うことで、対韓国とは言え朝日新聞のいわゆる従軍婦問題の取り消しもあって、主導権は日本に移りつつあります。 安倍政権の粘り勝ちと言うことでしょう。

最近話題のiPhone6に目もくれず?、GoogleのNexus7 を購入しました。 7インチが適当だと言うのと、電話機能はガラケーにとどめを刺すので、タブレット機能に絞り込みました。 結果的に、単体の値段ではiPhone6のフリーSIM版の方が安かったのですが、他のデータとの互換性などで同じAndroidにしました。 初期に買った10インチのタブレットに比較して、速度はもの凄く速くなったし、Andriod 4.4のおかげで使い勝手も良くなりました。

リーSIMチップは、LTEの3日間の平均で100メガ制限と言うAsahiネットを使いましたが、一長一短。 月料金は900円であるものの、最初に手数料として3000円がかかります。 SIMチップチップ込みで売っているものもあり、選択はなかなか難しいと思います。 ちなみにAsahiネットは、安売りのプロバイダだと思っていましたが、電話すると必ず担当者が出てきて、割に的確な応答をするので、それ以来使うことにしています。 NTTの回線を使うとプロバイダが別途必要なので、その時に使います。

格安LTEは容量制限をかけることで、料金を安くしているのですが、会社によっては、1日制限だったり、3日制限だったり、ちなみにIIJは少し高いですが、クーポンになっていて、使わなかった分は繰り越しが出来るようです。 同じような値段でもOCNは電話関係会社らしく050の電話番号が付いてきます。

このタブレットで何をするかと言うと、電子書籍を読むことにあります。 本は紙と決めていましたが、最近は老眼になって、夜寝るときに読むのがつらくなってきましたので、照明が不要な文字を大きく出来る電子書籍にトライしてみました。 タブレットを横にしても、電子書籍リーダーでは自動回転が効かずに横に寝て読めました。 一応音声に変換して読んでくれるので、目が疲れたら、耳で聞くことも可能ですが、システムに付属の音声変換はレベルが低く、耳障りです。 青空文庫では、著作権の切れた読み物を無料で読むことも出来ます。 夏目漱石などはほとんどここに収録されています。

本は紙と決めていましたが、週刊誌的に読み飛ばすものなら、電子書籍の方が後に本が残らずに処分する手間が省けます。 また他の同じIDのスマホやPCでも読むことが出来るので、場所に応じた読み方が出来そうです。

今月の読み物は、彰義隊 新潮文庫 吉村 昭著 Kindle版 ¥720 単行本 ¥810
★★★ 幕末に興味のある人は是非読むべし

吉村文学の最後の歴史小説だそうです。 タイトルは知ってましたが、あまり面白く無さそうと今までは読んでみませんでしたが、読む本が無くなったので、渋々? 読んでみました。 結果は、もの凄く面白かった。 筆者も言っているように、彰義隊そのものは読み物にはなりにくく、面白くないのですが、戊辰戦争の盟主となり、皇族でありながら朝敵になってしまった上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王の生涯を描いたもので、幕末の歴史の別の断面を見ることが出来ます。

和宮の婚約者で、婚約を破棄された有栖川宮の徳川に対する思いが慶喜に対する態度に現れていると思います。 和宮降嫁で、結果的に幕府は損をし、和宮も不幸になり、良いことは無かったのはなかったのでしょうか。 西郷と和宮を通じた朝廷軍と幕府のパイプになったことは間違いなく、慶喜の嘆願も和宮が仲介しています。 しかし、これを受け取った元婚約者の有栖川宮の気持ちはいかばかりだったのか。

東京の特に上野界隈の地理には疎いのですが、この辺りの事をよく知っている方には、輪王寺宮の逃避行の跡を詳細に追うことが出来ると思います。 逃避行の経路は、この小説の取材時に明らかになったものだそうです。

【Amazonの書評より】
皇族でありながら、戊辰戦争で朝敵となった人物がいた──上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王は、鳥羽伏見での敗戦後、寛永寺で謹慎する徳川慶喜の恭順の意を朝廷に伝えるために奔走する。しかし、彰義隊に守護された宮は朝敵となり、さらには会津、米沢、仙台と諸国を落ちのびる。その数奇な人生を通して描かれる江戸時代の終焉。吉村文学が描いてきた幕末史の掉尾を飾る畢生の長篇。








2014年9月1日
株価は熱狂無き上昇局面ですが、長期金利はまた下がって、0.5%台になってしまって、0.4%台になると言う見通しもあるようです。 欧州もデフレに突入しつつあり、中国も失速して、世界に暗雲が垂れ込めてきています。 10年ほど前にも長期金利は上昇すると言う見方もありましたが、日銀の金融緩和もあり、長期金利は下がる一方です。 巨額の国債を抱える日本政府としては、非常に望ましい姿ではありますが、体に例えると体温が低下しているのと同じで、資本主義の終焉と言う話も出てくるのはこの辺りからでしょう。

日本でも同じ現象は見られますが、中国を見ていて分かるように、剥き出しの市場・資本主義では格差がどんどん拡大します。 この拡大により、資本主義を支えていた中間層が居なくなり、単純な資本家と労働者という、マルクスが考えた状況になりつつあるのではないかと思えるくらいです。 ひょっとするとマルクスが指摘した資本主義の欠陥はやっとこの状況で顕在化してきたのではないかとも考えられています。 マルクスの時代と今ではグローバル化の程度も全く異なるし、状況は違いますが、一歩遅れで、あの時代の状況になって来たのかも知れません。

先日の日経の一面に、量子暗号の記事が出て、何で今頃と気になりました。 要するに記事のポイントは、64カ所の拠点からの量子暗号1カ所に集約できると言うことで、量子暗号の実装技術に関するもので、量子暗号が改めて開発されたわけではありません。 記事によると通信スピードも1メガビットに達したそうで、これなら動画も何とか送れるレベルと思います。

従来は通信速度が遅いので、暗号鍵をお互いに送って、その暗号鍵で暗号化したデータを通常回線で送ると言うものでしたが、速度が上がってくると、そのままのデータを送れるようになります。 量子暗号信号を使って、実際にTV会議を実験したと言う話もあります。 いずれにしても、通信速度と通信距離はトレードオフにあり、今回の記事の通信距離は不明ですが、数百kmの通信に成功しているケースもあります。 オリンピックの2020年に向けて開発が加速すると見られています。

住基ネットやインターネットなどに使われている現在の暗号技術は数学計算の困難さを利用しています。 数字の掛け算は何桁でもすぐに実行できますが、与えられた数字の素因数分解は非常に難しく、要するに時間がかかります。 このかかる時間が何万年と言うことになれば、現実的にはそれは解読不可能と言うことになります。 しかし、この処理時間も所詮はコンピュータの性能如何にかかわるので、費用がかかって良いのなら、スーパーコンピュータを動かすと何ヶ月かの間には解読できるかも知れませんが、これだけのコストをかける価値があるかどうかです。 もう一つは、個人が持つPCを10万台レベルで同時に使って、解読するやり方です。 実際に解読プロジェクトとして、解読に成功していますが、単なる個人の利害だけで、多数の個人のPCを使うのは不可能でしょう。

皮肉なことに量子暗号と兄弟関係にある量子コンピュータを使うと、すぐに解読できると言うことで、幸いなことに量子コンピュータより、量子暗号の方が先に実用化されるようなので、この心配はあまりいらないようです。 しかしながら、通常のPCも進化していますので、何年かの間には、普通のPCで現在の暗号が簡単に解読できるようになるかも知れません。 実際に無線通信の世界では、開発初期では無理だと思われたWEP暗号の解読はほぼ瞬時に行えるようになり、WEPはいわばおもちゃの鍵になってしまいました。 一番安全なのはAESですが、これも長時間のデータ収集で解読できるようなので、短時間でのキーの更新が必須と思います。

今月の読み物は、何と言っても「論文捏造」中公新書ラクレ 村松 秀著¥929。
2002年に発覚、2004年にNHKがドキュメンタリーにした超伝導に関する捏造事件です。 本書は、このドキュメンタリーをベースに書かれているので、中身は濃いです。 このドキュメンタリーは見たような記憶があり、マジックマシンと言うのも思い出しました。 この捏造時間のすごいのは、1年以上も再現実験に誰も成功していないのに、捏造が発覚しなかったこと。 さらには実験データも、全くの捏造だったと言うことです。 発覚しなかったのは、超伝導材料の上に酸化アルミの層を付けると言うアイデアでしたが、どちらの領域にも精通した専門家が居なかったと言うことです。 しかし少し考えると、酸化アルミの蒸着がそんなに簡単に出来るとは思えないのですが、所属したのが、あのトランジスタで有名なベル研究所だったので、部外者はみんなベル研究所が組織を上げて、半導体製造ノウハウを駆使して作ったのだと思い込んだのが発覚を遅らせた理由ではないかと思います。 捏造した本人は存在していて、捏造発覚後も単分子トランジスタなどの論文、これも捏造だったのですが、を発表しています。

今回の、STAP事件と似ているとよく言われるのは、この超伝導でも実験した本人とその上司の関係が非常に似ている。 上司は現場を見ずに、どんどん自ら発表している。 所属組織もベル研と理研と言う超有名であることです。 データ捏造が発覚したときの言い訳も、どこかで打ち合わせたと思うほど同じです。 曰く、データを単に取り間違えた、データが沢山あったので取り間違えた、PCの容量が少ないので、データは削除した云々。

STAPのケースと異なり、上司部下とも現存し、上司は大組織の長に収まっているようで、STAPの上司は自殺をする必要は全くなかったと言う感じです。 そのまま理研の理事ぐらいに収まっても、批判は出るでしょうが、そのまま居座れたと思います。

単なる読み物としても面白かった。 久しぶりに半日に一気に読了しました。

★★★ 特に理系は、是非読むべし







2014年8月2日
やっと株価が上がりそうになったのですが、また落ちてしまい、一進一退の状況です。 出遅れていた電機関連の業績が上がってきたので、それに牽引されているようです。 頼みのアメリカの経済状況は、良いようでもあり悪いようでもあり、しかし量的緩和は着実に収束しつつあります。 やはりアメリカの金融緩和は特に発展途上国への副作用が大きいと言うことでしょうが、ブラジル辺りは、またミニバブル状況です。

日本は遙か以前から、アメリカもこのQE3まで、膨大な金融緩和を行ったので、その副作用はどうなるのかと思っていましたが、これは想定通りに経済バブルを生じさせました。 効果と副作用を天秤にかけると、やはり効果の方が高いと言うことでしょう。 日本の20年近くの金融緩和にしては意外に副作用が出ていないです。 銀行が抱え込んでしまって、国債の形で政府に貫流されて、市中にはあまり出回っていないのでしょう。 これを良いというのか悪いというのかですね。 効果があまりなくて、国の債務残高だけ積み増したカタチになっています。

アベノミックスのおかげで、予想を上回る物価上昇で、民間の見込みはすべて外れて、黒田さんの一人勝ちみたいになっています。 さてこれからどうなるか? 需給ギャップが結構縮まっているので、サプライサイドの強化とインフレ対策が重要になりますが、インフレ期待とは裏腹に長期金利が上がるどころか下がっています。

今や住宅ローンで0.6%は珍しくなくなっていて、量的緩和を終了しつつあるアメリカでも長期金利は上がっていません。 これから急激に上がると言う人も居ますが、ひょっとしたらこのままずーっと低金利のままに行くのではないでしょうか。 物価は上がり、長期金利は上がらないと言う、巨額の国債を抱えた財務省にとっては、理想的なカタチになっていくのでしょうか。

最近では「ニューノーマル」なる言葉が発明されていて、以前もニュー何とかは結局何も新しいことは無かったと言うことになっているので、結局、新しいことは何も無いと言うことになるのでしょうか。 最近の特に長期金利や中国の参加などを見ていると、ひょっとして今回は「ニューノーマル」なのでは? と思ってしまします。 それはいつも裏切られますが。 いずれにしても日米の直近の7-9月期の経済状況が全てを決めると思います。 消費税アップも絡んで、よくよく眺めていきたいと思います。

今日の読売新聞のトップに、家庭用のルーターによるDNSアンプ攻撃で、容易にインターネット接続プロバイダがダウンさせられると言う記事が載りました。 以前から言われていたのですが、ここ数ヶ月でその攻撃が急増したとのことです。 もっとも家庭用ルーターと言っても少し高級なもので、全国で54万台とのとこと。 心配な方は、確認サイトがありますので、ここで確認すると、自分のルーターと接続先のプロバイダのサーバーの両方が該当しているかどうかが確認できます。

新聞記事によれば今年5月末以降、この攻撃による通信障害を明らかにしたプロバイダは、ジュピターテレコム(JCOM東京都千代田区、利用者282万世帯)、ケイ・オプティコム(大阪市150万世帯)、アルテリア・ネットワークス(東京都港区56万世帯)、DTI(渋谷区)などで、昨年8月には、NTTコミュニケーションズ(千代田区)が運営する最大手のOCN(815万世帯)でも、約40分間にわたってネット利用ができなくなった。 とのこと。

この攻撃方法を要約すると、ドメイン名を実際のIPアドレスに変換するDNSサーバーは、インターネットの基本中の基本の機能ですが、このサーバーのキャッシュに大容量でしかも更新期間がやたらと長いエントリーを設定して、この設定元のIPアドレスを偽装して攻撃先のサーバーにしておきます。 ここで新たな問い合わせをDNSサーバーにすると、応答として最初に設定したキャッシュの大容量のデータが、偽装したIPアドレスつまり攻撃先のサーバーに送られる仕掛けです。

少しの問い合わせデータで大量のデータが返信されるので、アンプ(増幅器)と言う名前が付いています。 これを対策がなされていない54万台のルーターの一部でやれば、プロバイダの接続サーバーへの分散DoS(DDoS)攻撃が簡単に出来、機能が停止してネットにアクセスできなくなります。 ウイルスを使って、面倒なBOTを作る必要もないようです。




原因はDNSサーバーを何の制限設定も無しで立ち上げた事に寄ります。 通常は、プロバイダが運営しているので、設定はキチンとされている場合がほどんどですが、家庭用のルーターは盲点になっていて、DNS機能が付いているとは知らずに、何の制限設定もしないで放置されているのが大半で、ここを攻撃手段に使われているようです。

20年以上前からLSIの高密度化の限界について議論されていましたが、今までは、微細化の限界と言うより、電力による発熱の問題が主で微細化は2の次でした。 電力問題も電圧を下げるとかの対策で対応してきましたが、とうとう微細化の究極である原始1個分の配線が可能になるようです。 一つの論文を元にした記事だけなので、本当に可能なのかは良く分かりませんが、少なくとも一つの限界に達したことは間違いないようです。

記事によると、実験ではインジウム・ヒ素半導体の基板を使い、基板表面はインジウム原子が六角形を組んで整然と並ぶ。六角形の中央には穴が開き、走査型トンネル顕微鏡でインジウム原子を詰めたところ、電子の通路ができた。直線3本で交差点も作った。さらに複雑な回路を作れば、極めて集積度が高いLSIが実現でき、光の粒(光子)を出す光源も実現すると期待されているとのこと。

最近では多層化も進展し、10層はざらで、下手なプリント基板顔負けの多層化が実現しているようで、100層ぐらいまでは行けそうです。 微細化と多層化で、半導体はますます高機能・高性能になっていくようです。 そろそろLSIのトランジスタ(ゲート)の数が脳細胞の数とおなじ水準になってきて、コンピュータが自我をもつのかどうかが議論になっています。 しかしどう考えてもいくらトランジスタの数を増やしても自我を持つ気がしません。 一つ一つの脳細胞が、それぞれ一つのコンピュータぐらいの比較をしないと行けないのかも知れませんが、世の中のコンピュータはほとんどがネットで相互接続されていますから、似たような状況は生まれつつありますが、自我をもつ気配はありません。

今月の読み物は、「資本主義の終焉と歴史の危機」集英社新書 水野 和夫著 ¥799
在庫切れで入手するまで1ヶ月以上かかりました。 今回の主題と一致するのですが、この低金利状態をニューノーマル以上に捉えて、資本主義の終焉まで話を持って行ったものです。 出だしの部分は、共感することも多いのですが、途中からやたらと悲観的になってきて、成長否定主義者の榊原さんが推薦に名を連ねているのが段々と分かりました。 ヨーロッパの経済的な歴史を紐解いているのですが、これは水野さんのヨーロッパ時代の研究の結果でしょう。

気になるのは、時間軸の設定。 長期の話をしているのか、短期なのか、長期と言っても100-200年なのか30年程度なのか、その辺ごっちゃに議論されているので納得性が低いと思います。 さらには、資本主義の次の体系は何かと言っても、何もなく、それに備えると言う程度しか無いです。 今の資本主義を延命する努力をしないと言うことですが、その次のビジョンもなくて、現状で何もせずそのままにしておくと言うのは少し無責任ではないかと思います。 いずれにしても、経済学者でも現在の経済状況をどう捉えて良いのか分からないと言うのが本当のところみたいです。

超短期ですが、この7-9月期の状況で少しは方向性が出てくると思っています。

★☆☆(興味のあるひとだけ読むべし)





2014年7月2日
せっかく上昇に転じた株価も力不足で停滞してるようです。 消費税アップでもたいして落ち込まなかったほうがすごいと思います。 政府の成長戦略も中身はもっともですが、サプライズがないので材料にはならないのでしょう。 しばらくは持久戦になりそうです。

集団的自衛権の議論も決着したようで、現政府/自民党のチカラ技がすごいです。 自党だけで無く他党の公明党までねじ伏せた感じです。 しかし世の中は改憲論一色になりましたね。 護憲の人もみんな改憲論者になってしまいました。 しかしよく考えないと行けないのは、要するに改憲と言っても9条のことですが、大概の「普通の」改憲容認論者でも、2項の削除もしくは変更で良くて1項は手つかず、と思っているのではないでしょうか? それが、今回はからずも、そうは行かないことが分かりました。 改憲、特に9条の変更でもそう簡単ではないと思います。 マスコミは、ほとんど報道しませんが、何故でしょうね。 気がついていない? もしくは無視している。

今回の議論で出てきたのは、個別的自衛権と集団的自衛権。 さらに突然出てきて、公明党が大慌てした、集団安全保障。 前2者は、ほぼ議論が終わって憲法の解釈の変更と言うことで決着しましたが、集団安全保障は、解釈では難しいと思います。

憲法は自衛権に関しては明確に書いていないので、解釈が可能で、厳密に言うなら2項の「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」は駄目ですが、すでに自衛隊があり、みんな認めているので実施的には問題にならず、将来の改憲時に修正すれば良いと思いますし、これが大方の認識でしょう。

憲法 第9条の1項には、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とあり、前段部分は無視するとしても、後段では「国際紛争を解決する手段」としては使ってはならないと、明確に書いてあります。 国連の活動は例外ないしは、国際紛争ではないと言う解釈にするんでしょうか。 もの凄く無理があると思います。

日本帝国憲法つまり明治憲法ですが、これは学校では教えてくれないし、あまり話題にもならないのですが、読んでみました。 これが非常に良く出来ています。 明治憲法に戻せと言う議論も少しは理解できます。 あの明治の時代にこれだけの権利意識がちりばめられているのは驚異としか思えません。 改めて明治の人の気概と能力に脱帽します。

この憲法の最大の欠陥は、軍隊のシビリアンコントロールが出来ていなくて、それで先の大戦に至ったと言う議論があります。 確かにそれさえ入っていて、天皇大権が象徴天皇であれば、現憲法とそんなに違わないと感じました。 それで何でこんな事になっているか? 明治の人々の考えに抜けがあったのか? と少し考えてみましたが、こういうことでした。

当時の政府もしくは政党はまだ成熟していなくて、もし軍を政府の中に置くと、時の政府の思うままに動かされてしまうと言う危惧があったようです。 タイのクーデターを見ていても、軍は独立しています。 中国でも軍は共産党のものであり、政府のものではないようです。 だから中国は戦前の日本と同じ道を歩む危険性がある・・・・ と言う議論も可能です。

明治憲法では政府も軍も天皇に所属していました。 だから軍の暴走は天皇がコントロールする責任があったわけで、立憲君主制で、議会が開戦を決議したら天皇は裁可するしか方法が無いと言うのは昭和天皇の言葉ですが、そこまで言うなら、憲法が規定している天皇の統帥権を発揮して軍の暴走を止めなかったのは、天皇の責任と言うことになります。 軍とくに関東軍の暴走に対しては、天皇よりいろいろ発言があったようですが、結果的にはガバナンスが効いていなかったのは明白です。

憲法の話から急に重力波の話です。 ビッグバン後の宇宙は「インフレーション(膨張)」と呼ばれる急拡大現象が発生したとされていて、今年の3月に、南極の望遠鏡「BICEP2」を使って宇宙創世記から残された重力波を発見したとビックニュースになりました。 しかし、その後、この話はノイズを拡大解釈しただけで、証拠にはならないと言うことになりました。 何しろ重力波はもの凄く弱いので、その残滓を調べるのはさらに難しいことになります。 これが発見されれば、インフレーション理論の提唱者の佐藤勝彦教授のノーベル賞は間違いないと言われていますが、存命の間に発見されることを望みます。

これと同じ話は宇宙の背景放射の発見で、これは文句なしにノーベル賞でした。 これは宇宙の始まりのビックバンの時には宇宙は非常な高温でしたが、その後宇宙が膨張するにつれ冷やされて、ほとんど絶対零度まできているのですが、よく調べると、わずかに残っているのです。 要するに宇宙はほんのりと暖かい。 暖かいのはストーブでも分かるように赤外線です。

赤外線の元は光つまり光子ですが、冷えてくるとどんどん波長が長くなり、発見された現時点では、マイクロ波レベルになっています。 その観測に専用の人工衛星も複数打ち上げられて、背景放射の宇宙のムラが発見され、これと現在の宇宙の構造と一致することが確認されています。 これと同じようなことを、インフレーションでも観測しようと言うことです。 しかし電波と重力波では観測の大変さは格段に違うと思います。

今月の読み物は「人口から読む日本の歴史」 講談社学術文庫 鬼頭 宏著 ¥1,037
現在の住民票にあたると言っても良い江戸時代の「宗門改帳」を元に江戸時代の人口、さらには他の文献で平安時代、弥生時代、縄文時代とそれぞれの時代の人口を元にその文明論まで至る話です。 読む前は、退屈な人口研究の本だと思っていたのですが、下手な小説よりも遙かに面白いです。 自分自身、宗門改帳を見たことがあったので、興味が湧きました。

意外なことに、江戸時代でも近郊農家では、貴重な働き手である女性の結婚時期は意外に遅くて、30歳前ぐらい。 私も以前から不思議に思っていて、自分で見た江戸時代の資料でも27歳とか26歳とがいっぱい出てきたので、たまたまそう言う人の資料を見たのか、と思っていましたが、一般的だったようです。 婚期が遅くなると子供の数も減る。 また裕福な家ほど子供の数は多くて、「貧乏人の子沢山」は当たらないとのこと。

また子供の間引きは常に行われていて、貧しいからと言う理由でもなく、裕福な家でも間引きは行われていたようです。 事の性格上なかなか資料には出てこないようですが、出生間隔とか、男女比率を見ていくとだいたいの傾向は出てくるようです。 適切な避妊知識がなく、堕胎は非常に危険が高いので、間引きにと言う手段で、人口調整を行ったようです。

江戸時代でも、都市部の出生率は低いそうです。 江戸の町は流入人口が多いので規模を維持できましたが、出生率は低いままです。 現在の少子化問題を考える上でも非常に参考になる本でした。

内容紹介
歴史人口学が解明する日本人の生と死の歴史増加と停滞を繰り返す四つの大きな波を経て、一万年にわたり増え続けた日本の人口。そのダイナミズムを分析し、変容を重ねた人びとの暮らしをいきいきと描き出す

★★★(少子化問題を考える上でも、是非読むべし)