「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。 2010年 6月 6日 5月 5日 4月 2日 3月 1日 2月 1日 1月 1日
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2010年6月6日
政治の世界もまさかの大逆転で、それもやっと一段落して、一応の方向性は決まったと思います。 有権者が選択したのだから、と言う論調が目につきますが、何も総理大臣まで選んだわけではありません。 こういう事を見ていると、やはり国のリーダーは国民が直接選挙をする大統領制にしないと、その人の考えや政策が十分にチェック出来ません。 またこれにより強いリーダーシップが取れると思いますが、現在の仕組みでも同じような選挙方法が取れるでしょう。  衆参同日選挙で信を問うのがもっとも分かりやすい、リーダーシップが取りやすい方法ではないでしょうか。  

市場の動きもなかなか面白かったです。 首相の辞任では動かず、幹事長の辞任で上昇したとの事。 市場というのは多数のリアルタイムの投票みたいなものですから、一瞬にして評価が出たと言うことでしょう。 本欄でも以前に述べたように、選挙は重要で数がすべてを支配すると言う事は本当ですが、結果としての数であるべきで、最初から票と言う数を取りに行くばかりでは、理念が生きてこないと思います。 前首相のように単に言葉だけで思いを述べるのだけでなく、それを実現する目玉となる政策とのセットでないといけないでしょう。

前回は、オープンカーの話で、今回はその続編のハズでしたが、いろいろ面白い話題が出てきたので、アッさりと延期して今回は盛りだくさんです。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)がH-IIAロケットで打ち上げた金星探査機「あかつき」です。 戻ってくる「はやぶさ」が話題になっていますが、注目すべきは、あかつきに小型相乗り衛星として「IKAROS(イカロス)」が打ち上げられた事です。 イカロスは、超薄膜の帆を広げ太陽光圧を受けて進む太陽風ヨットです。 この帆の一部に薄膜の太陽電池を貼り付けて、これで発電をすると言う事ですが、なにより嬉しいのは、太陽風ヨットであることです。

太陽からの主に光の粒子の圧力を受けてヨットのように宇宙を帆走するのです。 ロマンがありますねぇ。 普通の水上のヨットもロマンがありますが、宇宙でしかも太陽風とは、何とも言えないロマンがあります。 理屈の上では、光速まで加速できるのですが、質量があるので、その10%にも行かないのでは無いかと思います。 いずれしても、これが実際に作られて、ロケットで打ち上げられて帆走していると考えると何とも言えない感慨があります。

何十年も前に、この話を本で読んでいたので、なんとか思い出してみると、SF作家アーサーCクラークの短編集「太陽からの風」(早川書房)の表題作でした。 現物は探したが出てきませんでしたが、 カバー解説文から抜粋すると、赤道上空22,000マイル。今、男たちは太陽ヨットレースのスタートラインに並んでいた。途方もなく大きな円形帆は、惑星の間を吹く風を受けて、いっぱいにふくらんでいる。レース開始まであと3分。これから地球を2周してその加速で地球から脱出し太陽の風を背にまともに受けながら、月へ向かうレースが始まる…男たちの夢とロマンを乗せ、宇宙を疾駆する太陽ヨットレースを描いた「太陽からの風」

日本語入力で、PCのWindowsに付属しているMS-IMEにイライラしていませんか? 思った変換が出来ない、例えば「京滋」みたいな単語でも出てきません。 ずっとイライラしていたのですが、最近ひょんなことから、GoogleがIMEを提供(もちろん無料で)していることを発見しました。 早速インストールしてみると、これがまああまあで、少なくとも今までのイライラはかなり低減されました。 インストール時間も少なく、再起動も必要なく、XPでも7でもOKでした。 流石にGoogleで、Web上の単語はすべて出てくるそうです。 また、ケータイでも実装されているような、予測に基づく単語候補も出てきます。

半角の設定(記号を半角にするとか全角にするとか)も便利です。 ただIMEのON/OFFの切り替えキーの設定とかは、まだ不便で設置ファイルを書きなおさないといけないようですが、これも近々に改善されると思います。 ATOKをインストールするとシステムエラーが頻発して、これ以来はATOKは絶対にインストールしない、また有料でしかも結構な値段がする。 その反動でWnnのPC版を作ったのですが、なかなかバージョンアップに追ていけなくて、結局イライラしながらMS-IMEを使い続けていました。 けれどこのGoogle IMEですっきり解決しました。

今月の読み物(今回は読まなくて良いですが)は、我、知事に敗れたり―2009年9月堺市長選 (単行本)木原 敬介著 ¥1,575 です。 シャープの誘致とかでそんなに失敗もないのに何故市長選挙に負けたのか、前から不思議でしたし、堺市はいろいろ関係があったので興味があり、読んでみました。 結論から言うと、大した内容の本でもないので、わざわざ高いお金を出してまで買うべきものでは無いと思いました。 ダラダラと恨みつらみを書いているだけで、政策としては、LRTが中止されたことが最後まで未練がましく記述されています。 この木原さんと言うのは民間から大阪府に再就職した人ですが、やはり役人が合っていたのだと思います。 お役人らしく、一つづつ政策を積み上げていくやり方で、確かに本人の言う様に、実績は着実に上がってきている、どこが悪いのか? と言うことでしょうが、良い悪いは別にして大阪府知事が言っているのはもっと大技で世の中を変えると言う事で、これは相手が悪かったとしか言いようが無いですね。

また、堺市が政令市になった事が長年の夢で大きな成果としていますが、何で大阪府の中に政令市と言うような、二重権力体制みたいなものが必要なのか良くわかりません。 堺市の立場なら、権限が大きくなる政令市は意味があるのでしょうが、大阪府の立場から言うと、アンタッチャブルがひとつ増えたことになります。 大阪府知事のターゲットは大阪市と堺市で、これを解体する大技が大阪都構想でしょう。 政令市は府と同格と言う事で、大阪府の担当はこの2市を除く他の地域と言う住分けになって、政令市内では、府と市の二重行政となってしまいます。

大阪府では、まず水道事業の一本化を目指したのですが、結局一本化出来ず、最後は大阪都構想で大技をかけたと言うことでしょう。 どっちが良いとか正しいとか言う事では無くて、チェンジ・変革をして欲しいとみんな思っているので、残念ながら前堺市長の言い分はよく分かりますが、議論のレベルが違うのと、時代が変わってきていると言う印象を強くもちました。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
木原 敬介
1939年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学法学部卒業。伊藤忠商事を経て、1964年大阪府採用。美原町助役、大阪府地方課長、堺市助役、大阪府税務長、大阪府企業局長、大阪府水道企業管理者を歴任。2001年堺市長当選。二期八年間在任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)






2010年5月5日
今月は連休の影響もあって、少し遅くなってしまいました。 普天間問題も大詰めになって来ましたが、これではまったく決着の可能性がありませんね。 一国のリーダーとしての資質の問題だと思います。 今後も重要な国レベルの決定がまともに出来ないと言うことになります。 経済は、これにも関わらず僅かながら上昇局面になってきています。 それでも世界から見ると、取り残されているのは歴然。 何で日本だけが20年間もデフレ状態が続くのか。 国民もこう言う状態に慣れきってしまって、それなりに安定してきているということでしょう。

今後の長期間のレベルで見るとインフレ突入が必至です。 こうなった時の対処方法がまたもやうまく行かないのでは? と心配になります。 過去のインフレは富の移転が国内で行われたので、日本全体としては収支はそんなに変わりませんが、グローバル時代に入っている今では、何かあると国富が海外に流出してしまいます。 江戸末期に、金が銀より相対的に安かった日本から、金がどんどん海外に流出したことを連想する状況です。

最近の民主党を見ていると何か思い当たることがあって、何かと考えてみれば、民間企業で言うと立上げ期のベンチャーの状況です。 経営者不在で豪腕営業部長が一人で売上げ・利益至上主義で突っ走って居る感じです。 売上(=選挙の得票)を上げないとどうしようもないでしょ? と言うのは良く分かりますが、世の中でよく言われるように、金儲けだけを目的にすると企業そのものがおかしくなる、理念とか、利益以外の目的を追求すべきと言う事です。 立上げ期の企業で、取り敢えずの事業量は確保(政権交代)した、しかし累積赤字が溜まっていて、これを減額するレベルの事業量をさらに確保(参議院過半数)しないと企業の永続性が無い。

こう考えると民主党の行動は良く理解できますが、日本という現時点では世界第2位の経済規模を持つ巨大企業を単に力ずくの売上だけで何とかしようと言うのはあまりにも乱暴だと思います。 やはり理念を掲げる、第2ステージに入ったのならそれなりの理念に書き直す。 マニュフェストはあまりにも細かすぎるので、方向を示す理念を3つから5つ示すことが重要だと思います。 松下政経塾出身者が多く居るので、何で松下幸之助の著作を読まないのか不思議です。 全員よく読んでみる必要があります。

政権交代時までの豪腕営業部長の活躍はたいしたもので、共感することは沢山ありました。 先日もTVを見ていたら、辻立ちの時のマイクの持ち方からお辞儀の仕方まで、営業部長の直伝だそうです。 営業活動とみれば当たり前ですが、他党はそれも出来ていなかったと言う事でしょう。 しかし最初の立上げ時の営業が功を奏したら、営業部長には少し引っ込んでもらって、社長が営業を含めて指揮を執るべきでしょう。 民意と言う名の顧客満足度アップに押されて、理念の影が薄くなってきているのが気になります。 民間企業でこう言うことをやると、圧力を受ける現場では違法行為が続発し、売上が粉飾傾向になり、落ちてくると、ガタガタと崩れてきます。

今回のテーマはオープントップの自動車です。 理想的なパーソナルカーとは何かと考えてみるに、価格の制約はあるものの、他の制約を外してみると、オープントップの車が考えられます。 これをオープンカーと言うのですが、我々の世代ではあんまり良いイメージが無くて、フレームががんがん入って重い、それにエンジンが追いつかず鈍重とかのイメージがあって、大相撲の優勝パレードとかを思い出します。 他の言葉では、カブリオレと言うのがあって、これは主にヨーロッパで使われていますが、これになると女の子がワイワイ乗っている感じで少しは良いイメージです。 他にはロードスターとも呼ばれ、これは主に2シーターに使われるようです。

初期の特に小型のものは幌式で夏暑く冬寒く喧しいと居住性は最悪のもの、現在では金属のハードトップが主流で、自動で開閉出来て居住性も普通のクーペと変わりません 最も初期のオープンカーはルーフが無かったようです。 ハードトップは重いので、最近では硬くて遮音性の良いソフトトップも出現してきています。

パワフルでしかもオープントップと言う理想的な車種を探したのですが、これがなかなかありません。 理由は、性能のバランスを取るのが原理的に難しいようです。 つまり、特にハードトップの場合は、重量のあるルーフが上から、後部のトランクに移動するので、高性能な自動車では重要な重量配分が変化してしまうと言う根本的な問題があります。 幌式とかソフトトップではこの問題は軽減しますが、居住性が悪くなります。

またルーフが無いということは、自動車の構造上、ボディ強度を持たせることが難しく、補強財を多く使用しなければならない、つまり重量が大幅に増えると言うことになります。
実際に、運転してみるとルーフを開けると、重量が後部に移ったことがすぐに分かり、お尻が重いという感覚になります。 また、段差を越えるとボディがしなったり、振動したりと言う事を感じます。

従って、このようなボディに高い馬力のエンジンを積んでも車全体のバランスが悪くなって、使い物にはならないと言う事だと思います。 ヨーロッパの自動車のラインアップには必ず、オープントップがありますので、ヨーロッパの自動車会社はいろいろ開発に苦労しているようです。 概ね同じ車種でも、実態はまったく別の設計と言う事が良くあります。

【レクサス IS250C】 月間100台くらいしか売れていないマイナーな車で、車重に対してエンジンが非力。 BMW3シリーズ対抗の ISシリーズのネーミングですがまったく別の車と考えたほうが良いでしょう。 3つ折のハードトップで流石に日本製で複雑怪奇な折りたたみ方です。 消去法で選んでいくと最後に残ります。 パワーが無いですが、ギリギリセーフか。 550万円ぐらいで買えます。 また、オープントップの車は開いたときのスタイルはまあまあなのですが、閉めたら不恰好と言うのがほとんどです。 開いて走ることはほとんど無いので、閉めた時のスタイルは非常に重要で、この車はその点はまあまあ降格です。 詳細な報告は来月に掲載します。

【レクサス SC430】 元ソアラと言った方が分かりやすいでしょう。 完全な2+2シートで、後部には子供すら乗れないという話です。 この車種は収束で、最後の特別車が200台作られて、夏から秋に生産終了となります。 あまりにも古すぎるということでしょう。 以前にアメリカのフロリダで借りて、キーウエストまで往復しました。 当時のルーフはハードトップですが、完全手動取り外し方式で、突然雨が降ってくると、車を止めてトランクから屋根を取り出して、上に乗せて、レンチでボルト締めします。 これを一人でやるのは結構大変でした。 この時に日本車らしく、右方向に「シメル」、左方向に「アケル」と刻印してあったことを良く覚えています。

【ベンツ Eカブリオレ】 4月にやっと日本で売り出されたものでソフトトップ。 走行しながら開閉できるそうです。 Eシリーズとなっていますが、ベースはCとの事で大きさも小さい。 ただし値段はEクラスで 900万ぐらいします。 もっともEクラスのクーペは1200万ぐらいしますので、格安と言う事でしょうか。 同じくロードスターのSLKは古いこともあって収束するそうです。 個人的には好きな車種でした。

【ベンツ SL】 ベンツのパーソナルカーのトップ車種。 流石に存在感があってすごいですが、値段も1200万以上します。 少し古いので中古車を探すのが良いかもしれません。 でかい車なのでスタイルは開けても閉めても流石に良いです。 一度隣に停まっているのを見たことがあります。

【BMW Z4】 安価なロードスターで2シーター。 2つ折れのハードトップ。 エンジンは2500と3000+ターボの2つ。 2500でも十分に走ります。 流石にBMWで、運転の楽しみのツボをキチンと押さえている感じです。 またパワーとオープンの両立が高度に両立していますが、いかんせん荷物がほとんど積めません。 ルーフを開けるとトランクにはほとんど何も入らないし、後部座席も無いので置き場所がまったく無いのが欠点。 一番安いものは500万を切りますが、装備がほとんど無いので見せかけの価格です。 まあまあのもので600万はしますが、びっくりしたのは、頭から30万ほど値引きすると言うことで、輸入車の値引きは思っていなかったのでびっくりしました。 ただし日本に在庫している車種だけで、これを年度末にディーラーに行けば値引きがあるようです。

【プジョー 308CC】 少し前までは1600+ターボのエンジンと4速ギアで、10モードが9.2km/lと、何で?と言いたくなりますが、やはり4月にエンジンとギアがアップグレードされました。 スタイルも良いし、装備もまあまあで、なにしろ500万円ぐらいなので、安い。 ただしルーフを開けた時のスタイルは非常に良いのですが、閉めたときのバックスタイルがイマイチ。 4シーターで2枚折にした時の無理があると感じました。

【アウディ TTロードスター】 走りではアウディに期待したのですが、TTクーペはスタイルも良くBMWをしのぐ運動性ですが、ロードスターは何かダイハツのコペンを大きくしたようなスタイルで、おまけにソフトトップ。 どうせ乗るならクーペだと感じました。

【ニッサン フェアレディ ロードスター】 フェアレディは、学生のころから一度は乗ってみたいと思っていましたが、アメリカマーケット向けになってしまったので、非常に残念ですが好みではなくなりました。 クーペは3700ccで10モードが8kmと言うのも今日の時点では選択しにくいですね。 もっと大変なのは、ロードスターの試乗車が日本には無いと言う事で、いざ買うとなったら目を瞑って買うことになります。

【ボルボ C70】 昨年10月の大阪のモーターショーで見かけたのが最初で、それまでは剛健で鳴らすボルボにオープントップがあるとは思っていませんでした。 ボルボなだけに相当重いと思ったのですがそうでもなかったのですが、センターコンソールがペラペラのパネルを曲げただけの安物に見えました。 別の機会に営業と話したら、こう言う形にするには相当の技術とお金がかかりますとの事でしたが、どうみても安物にしか見えなかった。 中国企業にたった1800億円で買収されてしまいましたが、これは良い買い物だったのではないでしょうか。

【小型の国産ロードスター】 まずこの分野の先鞭を付けた【マツダ ロードスター】 幌式だが最近ではハードトップも出てきたようです。 ベンツSLKはこのロードスターに刺激されて開発したとの事です。 最近でも路上で良く見かけて、古い割にはスタイルもまあまあで日常の足代わりに乗るには便利でしょう。 【ダイハツ コペン】 時々見かけます。 若い女の子が足代わりに乗るのは良いと思います。

【その他の車種】 少し高いですがポルシェ。 近所のお医者さんはベンツのCLSからポルシェ(車種不明)に乗り換えるそうです。 もちろん新車。 ロータスが意外に安くて 800万ぐらいで買えるみたいです。 アルファロメオとかもありますが、ディーラーが近くにないので詳細は不明です。

今月の読み物は休みです。






2010年4月2日

暑い日と寒い日が交互にやって来て、体調がおかしくなりそうです。 先日は京都で雪になりました。 経済も政治はほっておいて、少しは暖かくなってきたようです。 BRICsはもっと暖かいようですが、日本は少しだけで、なかなか本格的に暖かくなってこないようです。 郵便貯金の限度額が2000万になるとかで、せっかく少しは前に進んだ改革がまた元に戻りそうで、今度は本当に世界から見放させてしまうのではないでしょうか。 投資家が良くアクセスするサイトか何かで、アンケートを取ったら、みんなの党が50%も支持を集めたそうです。 本格的な政治集団ではないのですが、消去法で行くとこれしかないと言う感じですね。

民主党は、本来の大きな政府志向がハッキリしてきて、それを妙に打ち消すのでおかしな話になっているような感じです。 従来の自民党も、小さな政府志向と社会主義的な一面とを特に公明党が入っていたために、渾然一体となっていました。 所得の分配は良いとしても、どこで付加価値を生み出すかです。 付加価値が無ければ国として沈没します。 つまり成長戦略が必要で、これは単に紙を作ったらよいと言うものではなくて、議論して、世界が認めて初めて成長戦略となるのです。 財務大臣が、成長戦略はあると、パワーポイントで作ったらしい4-5枚の紙を見せていましたが、あれが成長戦略と思っているのであれば、お先真っ暗です。

前回の危機の時に本欄で紹介したように、1450兆円の個人資産があるから、国債は安泰と言うことは、いざと言うときには、預金封鎖で全部召し上げたらそれで国債は綺麗になくなります。 ただ日本の国全体としては右のポケットから左のポケット、もう少し言うなら旦那のポケットから奥さんのポケットに移動するだけでトータルは何も変わりません。 いずれにしても、1450兆円が全てで、これが海外に流出したら、本当に何もなくなってしまいます。 この中に割って入ったのが郵便貯金です。 なけなしの1450兆円を使って付加価値が生み出せるなら良いのですが、ユニバーサルサービスとか何とかでは、マクロ的には何も生み出しません。 単にポケットの中身の争奪戦となり、結局は国債になってしまって、金利分で郵政会社へのミルク注入に終わってしまいます。 どこが脱官僚(依存)何でしょうかね。 確かに選挙は重要ですが、選挙対策しかなくなったのが残念。 もっと国民を信頼して欲しいと思います。 正しいことをやっていればキチンと結果は出ると思います。

利益利益と儲けばかり追及している経営者に見えます。 社会に役に立つ仕事をする、結果として利益が付いて来るというのは、偉大な経営者が異口同音に言うことですが、理念を身上とする政治家はもっと理念をしっかり持って欲しいですね。 結果は自ずと付いてきます。 これを軽視して、取り敢えずの利益を目指しているのが現政権ではないでしょうか。 逆に言うと国民を馬鹿にしていますね。 過去の政権の悪いところばかり見習っているような感じです。

好き嫌いは別にして、小泉・竹中ラインは、アメリカの共和党流の小さな政府志向だったと思います。 少なくとも世界は反応して株価は上がりました。 今はまったく反応しない、妙に円も高止まり。 小泉ブッシュの関係が良かったのも、単なる個人的理由だけでは無いと思います。 まあイラク戦争は少しお粗末でしたが、レーガンなんかはそれなりに後世に遺産を残していると思います。 いずれにしてもこのままでは本当に国が滅びてしまうので、その前に何とかしないと真逆の方向に動いていると思います。

最近はアチコチ出歩くようになったので、GPSを使った移動位置ロガーでGOSGETと言う物を入手してみました。 単4電池2個で10時間動きますので、一日の移動を記録するのには十分です。 感度は結構良くて、電車でも家の中でも一応動いているようです。 精度はそんなに良くないですが、電波がキチンと受かっていると、車のGPS並みにはあるようです。 電波が途切れるとデータが飛ぶようです。 この辺は、データ解析のアプリで、妙なデータははじくようにすると良いと思いますが、なかなか対応していないようです。 問題の地図は、Google マップとか Google Earth とかの上にプロットできますので、なかなか面白いです。 私はまだ持っていっていませんが、山に登ると高度も記録できますので、カシミールとかのフリーソフトで表示できるようです。 お試しください。

従来使っていた乗換え案内サービスと、最近宣伝が多い NAVITIME と入れ替えました。 電車などの乗り物と徒歩がシームレスになっているのが良いですね。 ケータイをGPS付きのものにすると、カーナビに変身できるそうです。 ルート検索などをサーバー側でやるために、下手なカーナビ顔負けのルート検索が出来るそうです。

最近リコールで話題になった、大手自動車会社のカーナビはネットで繋がっているようです。 いざとなるとオペレータを呼び出して、オペレータにカーナビの設定を遠隔でやってもらえるそうです。 緊急時には、ボタンひとつでコールセンターに繋がり、エアバッグが開くような衝撃を受けたときは、自動的に救急車の手配をするとの事。 場所はGPSで分かっていますから、直行できるわけです。

最近の自動車は全部コンピュータ制御になっているので、その履歴も全部残っているそうです。 例えば衝突する直前の車の状態はほとんど全部詳細に取れているとの事。 それで、アメリカの公聴会の時もあんなに強気だったのですね。 また、アメリカ側は情報が十分に出されていないとっクレームをつけていたのが、この履歴データです。 裁判所の命令があって初めて出すと言う規定になっているようで、個人情報に準じた扱いと思います。

エコカーでは、車のバッテリを家庭のエネルギーのバッファにしようかとか、いろいろな動きがあって面白いと思います。 いずれにしても住宅に次ぐ高価な設備ですから、それにエネルギーも情報もすべて集約されていると言うもの悪くないかもしれません。 エネルギーの管理もネットを通じて行えるわけですから、ハイテクの塊になっていくのかもしれませんね。

今月の読み物は、岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書) 河合 敦著。 今流行の坂本竜馬と関係の深かった岩崎弥太郎の話です。 上野公園のJRの駅から池を挟んだ反対側に旧岩崎邸庭園があります。と言っても、こちらは弥太郎の長男である岩崎久彌が建築家ジョサイア・コンドルに設計させたものです。 近くには三菱の歴史館もあって、弥太郎を偲ぶことが出来ます。 岩崎邸は庭園だけでなく建物も良く保存されており見所の多い建物です。 隣に大きなマンションが出来ていて少し興ざめですが、天気の良い日には庭園も広々して、洋館と和館がそれぞれに趣があります。

内容(「BOOK」データベースより)
三大財閥中、三百年以上の歴史を持つ旧家の三井・住友に対し、三菱は明治の動乱に乗じて短期間で巨万の富を築いた特異な会社である。坂本龍馬の遺志を継いで海運業を起こし、権謀術数を駆使してわずか五年で頂点を極めた政商・岩崎弥太郎。日本初のビジネス街・丸の内を建設した二代目・弥之助。戦争景気で業績を伸ばし、昭和の大不況を勝ち残った三代目・久弥と四代目・小弥太。時代に即した巧みな経営術と、現在も続く財界随一のグループ結束力で成り上がった一族、岩崎家四代のビジネス立志伝。





2010年3月1日
やっとオリンピックも終わって、経済も政治も動きが無くなって、春のけだるい気候に一時はなりました。 地球の反対側では、特大級の地震で日本は津波予報一色でありました。 ギリシャの経済地震はとりあえず収まったものの、今度はアイスランドが再びの危機に陥っています。 他国の預金者のために何で自分たちが身銭を切らんといかんのか? と国民投票で秘訣の様子です。 しかし考えてみれば身勝手な話で、人口30万人の小国がゆったりと日常生活を送れたのは、他国の預金者の投資があってこそ。 お金を借りるときは平身低頭して返済時には、それを忘れて高利貸しの取立てに、あんたは鬼や、と言うのに等しいでしょう。

最近、防犯意識が高まっていますので、ネットカメラをいろいろ試してみました。 あまりたくさん買い込めないので、コレガの機種に絞ってみました。 2万円そこそこなんですが、これがなかなか使えます。 モーターが入っていてパン・チルトが可能です。 これをどう動かすかと言うと、PCやケータイから矢印キーで、ワンステップずつ動かします。 少々かったるいですが、動かないよりましです。 他社の高機能の機種では、画面の位置を指定するとそこに移動ができますが、この機種はそこまでは出来ません。 画像データはftpとメールで送ります。 さらにモーション検知が出来てその時に送ることも可能です。 ただしモーション検知の出来があまり良くないので、検知しすぎたり、しなかったりです。 ただ画面の中で領域を2次元的に指定でき、レベルも指定できるので、使い方によっては良いのかもしれません。

面白いのは、音声通話が出来ること。 音のモニタリングが出来て、外付けのスピーカを繋ぐとPCのマイクから音が出せます。 もっともネット経由ですので、遅延がものすごくあるので、通常の会話は出来ませんが、モニタリングと音声による警報や警告が出来ます。 最初はどんなスピーカーを繋ぐのかマニュアルにもありませんでしたので、試行錯誤でしたが、PCに繋ぐようなアンプ入りのスピーカーでOKでした。 またカメラ本体の音量の設定を最大にしないと聞こえません。

もっと面白いのは、インターネットを介して、他の場所からも監視画像を見ることが出来ます。 PCだと動画が可能で、ケータイだと静止画になります。 PnP機能があるので、ルーターの設定さえすれば、後は自動でルーターに穴を開けてくれ、外から見えるようになります。 複数台のカメラはどうする?と言うことですが、これはポートで区別します。 またセキュリティ上もポートはWebの80番以外にしておくべきでしょう。

ルーター機能のうち、このネットカメラで必要になって設定したが、DDNS ダイナミックDNS機能です。 正確に言うとルーターの機能ではなくて、外部のサービスなのですが、何らかの拍子にIPが変更になった時に、ルーターから再設定する機能が必要となります。

なぜこれが必要かというと、通常の常時接続のインターネットのIPアドレスは割当性ですので、一定しません。 一定させようとすると、固定IPを割り振ってもらう必要があり、結構高価で 月に何万円とかかります。 ネットサーフィンのようなWeb参照であれば、IPアドレスが変わろうがなんであろうが問題ありませんが、外部から内部の例えばネットカメラを参照しようとすると、変化されると困ります。 反面セキュリティ上はその方が安全と言う見方も出来ます。

この常に変化するIPを実アドレスでなくて、名前で参照できるようにするのがダイナミックDNSです。 無料のサービスがたくさんあって、どれでも良いのですが、ルーターによっては選択できるサービスが限定されているものもありますので、まずルーターの設定を見てから選定すると良いと思います。

この機能を使うと、ケータイからも留守中の自宅のペットの様子を見ることも出来ます。 かかる費用は、カメラ代だけで、このカメラだけのランニングコストはかかりません。
使うときのコツは、ケータイでもIDパスワードは必要にした方が良いと思うので、この時にケータイから入れやすいIDとし、パスワードは数字にしておくべきです。 ケータイのデスクトップにURLを貼り付けておけばワンタッチで見ることが出来ます。 またPCで見る時は動画に出来ますが、5fps程度の遅いものにしておかないと、特にインターネット経由で見るときはトラフィックが多くなります。

また、おまけでついてくる監視ソフトもまあまあ使えます。 4画面とか9画面、16画面まで同時に見ることが出来て、細かい設定もそこから可能です。 もちろんインターネット経由でも、キチンとアドレスを設定すれば見ることが出来ます。 サウンドのモニタリングも可能です。 多少ブツブツとネットが切れますが。 ケータイでは残念ながらサウンドモニタリングは出来ません。 おそらく iモードの帯域の問題だと思います。

今月の読み物は、海の祭礼 (文春文庫) 吉村 昭 ¥ 660 です。 幕末ばやりの昨今ですが、これも幕末ものです。 日本人の漂流の話は多いですが、これはインディアン系のアメリカ人の(意図的な)漂流譚です。 このアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドを中心とした前半と、その時には英語が分かる日本人は一人も居ずに、彼から本物の英語を学んだ長崎通詞・森山栄之助の立場から当時の外交交渉を垣間見ます。 現時点でも外交交渉としては臨場感のあるもので、外国奉行を外務大臣と読み替えればほとんど変わっていないのではないかと思うほどです。

内容(「BOOK」データベースより)
ペリー来航五年前、鎖国中の日本に憧れたアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドはボートで単身利尻島に上陸する。長崎の座敷牢に収容された彼から本物の英語を学んだ長崎通詞・森山栄之助は、開国を迫る諸外国との交渉のほぼ全てに関わっていく。彼らの交流を通し、開国に至る日本を描きだす長編歴史小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 吉村 昭
1927年、東京生まれ。学習院大学中退。66年「星への旅」で太宰治賞を受賞。同年「戦艦武蔵」で脚光を浴び、以降「零式戦闘機」「陸奥爆沈」「総員起シ」等を次々に発表。73年これら一連のドキュメンタリー作品の業績により第21回菊池寛賞を受賞する。他に「ふぉん・しいほるとの娘」で吉川英治文学賞(79年)、「破獄」により読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞(84年)、「冷い夏、熱い夏」で毎日芸術賞(85年)、さらに87年日本芸術院賞、94年には「天狗争乱」で大佛次郎賞をそれぞれ受賞。97年より芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)






2010年2月1日
今年は年初から寒い日が続きます。 かと言って暖冬が終わったのかと思うとそうでもなくて、水溜りに氷が張りません。 子供のころは分厚い氷が張ったものでしたが。 経済の方も段々と怪しくなってきて、中国も一時的にダウン、アメリカも息切れ、ヨーロッパはまだら模様、日本は迷走中。 それにしても国のツートップが税金で怪しくて、こうから増税しようと言うときに、これでは納税意欲も失せると言う事です。 こちらはちょっとマンションを買っただけでも、税務署から「おたずね」の紙が回ってくるのに、2桁億円のお金が動いて、脱税と分かった後でもお咎めなしと言うのは、あまりにも馬鹿にした話で、これでは消費税論議なんかできっこないでしよう。

相場では、億円を越す脱税は告発されて、1億円当り1年の実刑だそうです。 某宇宙人は、6億ですから、まかり間違っても執行猶予は付きません、普通の人なら。 もう一人も、相続は無かったと自分で言っていますので、4億とか8億とか言われているお金はその後自力で稼いだと言う事ですが、政治家と言うのはそんなに儲かる商売なんでしょうかね。

使ったお金の額は某宇宙人が正しいと思います。 政治に何でお金がかかるんだ? とよく言われますが、収益団体ではないですが、経費はかかる。 それなりの人を雇うと給与の他に経費がかかりますがから、最低でも1000万、多くて2000万はかかります。 これが10人居たら1億から2億。 政治報告の封書を1万人に1回出すだけで80万円。 毎月で1000万円近くかかります。 だから政党助成金を税金から出しているのですが、これが不透明。 自力で稼いだ収益でも税務署には全部公開なのに、税金でまかなう経費が不透明とは何たること。 一時は、1円単位はめんどくさいという議論がありましたが、世の中のすべての何兆円の会社でも、1円単位で管理、申告しているのですよね。

おそらく、税金問題は時効だと高をくくっているのでしょうが、それならそれで、「すみません」と謝れば良いと思います。 いずれにしても、こういう問題にフタをしたまま、やれ成長戦略だ、財政健全化だと言って見ても、白けるだけです。 その白け方が、支持率に現れていると思います。 もう後がなくなってきました。 本当に、銀行封鎖、預金封鎖、日本沈没、IMF管理の風景が遠くに見えてきたと思います。

本年早々から、ぼやきで始まりましたが、ITの分野では、最近ツイッターばやりですね。 本欄でも以前に紹介しましたが、オバマ大統領が使ったと言うことで、日本でもはやりだしました。 Blogより簡単と言う触れ込みですが、イマイチ浸透していないようです。 どうもあの言いっぱなしにはなじめませんね。 Blogの炎上は極端な反応ですが、メールにしろ、何にしろ言いっ放しの傾向が強いと思うのは私だけでしょうか。

時節柄、税金の話に戻りますが、今回もイータックスの、5000円の税額控除はありますので、がんばって確定申告をして、好きでない住基カードをもらって、それに500円払って電子証明書をもらいましょう。 昨年は私が取ったのですが、今年はまた別人が取ったので付き合いで見ていました。 電子認証なのに、役所の中では持ち回りで、若い担当が書類を持ってうろうろして、あちこちのPCをいじって回っていました。 役所の中のシステムが統合されていないので、アチコチに入力をしないといけないようです。 今回は短かったですがそれでも15分かかっていました。 住民がみんな欲しいと言い出したらどう対応するのか心配になります。

肝心のイータックスですが、利用者識別番号の取得にも専用のさらに使いやすいソフトが出来たようで、それをダウンロードすると一発で番号の取得が出来ました。 流石に国税庁のシステムは全体に良く出来ています。 オンライン申請の嫌いな私も、今年はこれを使ってみようかと思っています。 ここで疑問となる添付資料ですが、基本的には自己保存となります。 何かあるとその時には見せないといけないようです。 ちなみに株式などの特定口座の取引残高は、税務署とオンラインで結ばれていますので、ごまかしは効きませんし、帳票も提出する必要なありません。 それなら税務署で全部やってくれ、と言いたくなりますが。

今回は、若い人だったので、流石にパスワードを入れるときには横向いていてくれました。 以前はじっと見られてしまって、セキュリティをどう思っているのか疑問でした。 セキュリティと言えば、先日自動車の免許証の書き換えに行ったのですが、これもIC化されていたのは良いのですが、パスワードを専用の機械で入力するのですが、そのパスワードが堂々と普通にスーパーのレジの明細みたいに印刷されて出てきて、ハイと手渡されました。 まあ取り扱っている人が警察官だから良いと言うことなんでしょうが、シールの上から見えないように印刷する方法もあるので、何とかならんものかと思いました。

今月の読み物は民主党政治の正体 角川SSC新書 渡辺 喜美著 ¥819。 アマゾンでは早速品切れになっています。 新書だしまあ読んでみるか、と言うところでしょう。 ぼやきの原因について、早速読んでみましたが、まあ言っているのと実行するのとでは大分差があるとは思いますが、いちいちもっともな話ばかり。 中にはそううまくは行かんやろ、と言うのもちらほらありますが、ばっさばっさと切りまくり。 経済の話がやたらと詳しいので、そう言えば、この人は金融大臣もやっていたよな、と妙に感心し、まあ器用な人ですね。

内容(「BOOK」データベースより)
何かが違う。政権交代したまではよかったが、なぜ民主党政権は「言っていることとやっていることが違う」のか。マニフェストでうたった「官僚依存からの脱却」は“絵に描いた餅”。このままでは役人天国の大きな政府が誕生し、国民には大増税への道が待っている。元行政改革担当大臣として、霞が関の既得権益に真正面から立ち向かった「みんなの党」代表の著者が、国家戦略のビジョンすら国民に提示できない民主党政治に審判を下す。そして、国民の一番関心の高い景気回復、成長戦略の具体案を大提言する。







2010年元旦

2010年 正月 元旦 あけまして、おめでとうございます。 昨年の1月号を見直したら、一足先に政権交代した米国大統領が定着したら先が見えてくるみたいな事を書いていましたが、それが終わったら今度は日本の方が怪しくなってきて夏の参議院選挙までははっきりしないようです。 リーマンショックからの脱却もどん尻で、世界が見えないのにさらに日本は先が見えなくなりました。 今年はGDPで中国に追い越されて世界第3位になってしまうようですが、それでも3位。 太平洋周辺に、1位から3位まで並んでいるのは大変なことです。 普天間問題もはっきりせずに、ますます先が見えなくなりました。

小沢幹事長は、政策にはあんまり関心が無くて、選挙にしか感心が無いように見えます。 本来は政策があって、それを実現する必須条件が選挙だったのですが、どうも政権交代選挙があまりにもうまく行ったので、最近は目的と手段が入れ替わっている感じがします。 企業で言うと、企業理念があるはずですが、それを実現するためには現実問題として売上と利益がないと駄目。 それで理念をそっちのけで売上利益に走る、と言う感じではないでしょうか? 恐らく夏の参議院選挙では、民主党が過半数を制すると思いますので、その後の動きが気になるところです。

以前は、正月恒例のIT予測をやっていましたが、2008年ごろから怪しくなってきて、最近は休業状態です。 今年は、やはり地デジの最終年なので、この動きが大きくなるでしょう。 来年夏にはアナログがストップするわけで、それに向けていろいろな動きがあるでしょう。 エコポイントも継続のようです。 昨年の薄型TVの価格の下落はすごかったですね。 32インチだと5-10万円で買えます。 しかもエコポイントつき。

もっとも量販店の値札は結構高いので実態は以前からこの水準の価格にはなっていました。 最近は55-60インチとが安くなりつつあります。 従来は40-50万円していたのですが、30万円台まで落ちてきました。 50インチは、以前にお知らせしたように20万円を切っていて、エコポイント込みでは、15-6万というところではないでしょうか。 これからは、中国が液晶市場に本格的に参戦してきますので、40インチ以下は1桁万円の下の方まで下落するのではないでしょうか。

以前から言っているように、廉価版の地デジチューナが出てきました。 最終的には、政府が無料で配布すると思っていますが、取り敢えずは貧困世帯から無料になっているようです。 それでもTVの切り替えがまだ60%とか、受信に必要な B-CAS カードの独占法違反問題とか、200万棟と言われている、民間マンションのアンテナ更新問題とか、本当に2011年7月にアナログ波をぶちっと切っても良いのか? と疑問になります。

どんどん下落するデジタルTVですが、その中でパナソニックはうまく横連携の製品を次々と出しています。 デジタルTVそのものはプラズマがある程度で、これも画面の映り込みがやはり気になって、そんなに画面が綺麗とも思えないのですが、レコーダーとの連携がなかなか良いです。 下手な録画一体型よりも使い勝手が良い。 AVCHDの画像圧縮が使え、ブルーレイにも記録でき、さらに両面で再記録可能なブルーレイも段々安くなってきたので、これに5-10番組が一気に入る。 当然、CD-R並みに安くなった、DVD-Rにも1番組ぐらいならハイビジョンで記録できます。

さらに、ビデオカメラもAVCHDで、ハイビジョンがSDカードに記録でき、最高の32Gバイトだと32時間も連続記録できる計算になります。 もっとも、現時点では、あまり大きなファイルを作ると記録がおかしくなるようで、2Gとか4Gで一度止めた方が良いようですが。

ネットに繋ぐネットカメラもAVCHD対応で、そのまま録画機に録画できます。 有料ですがケータイとも連携もあり、録画機のネット連携と絡めてリモートでの使い勝手が非常に良くなっています。

教科書に出てくるようなネットワーク環境でのビジネスを想定しているわけでなく、AVCHDと言う画像圧縮技術をメインに持ってきて、それをネットワークで繋いで顧客の囲い込みをしようとしているのだと思います。 一度はまってしまうと、同じシステムに繋がるものを買わざるを得ないようになります。 以前にソニーが家電のシステム化を目指して、えらくクローズなシステムを作ったのとは少し違って、結果的にはクローズなのですが、それをあまり感じさせないのが成功の要因だと思います。

今朝の日経新聞の一面トップに出ていた、スマートメーター、スマートグリッド。 特にすぐに実現してビジネスになるのがスマートメーター。 アメリカではすでにベンチャーがビジネスにしているようです。 いままでは、料金の自動収集と言う観点があったので、人が電気メーターを見て回る費用とシステム化の費用の比較で、やはり人のほうが安かったのですが、エコの観点が入ると、俄然実現性が出てきました。 電気消費量をリアルタイムで計測するのは技術的な経済性では大変ですが、非常に面白いビジネスになると思います。

問題は通信ですが、最近はネットの常時接続が普通になっていますから、これに繋げば解決します。 しかし全体の通信量が増えるので、ネット接続業者との連携が必要でしょう。 関西では関西電力が、ファイバーの常時接続を行っていますので、これが使えるでしょう。 マンションなどの集合住宅では、やっと実用化してきた電力線通信が使えるでしょう。 速度を下げるなどして、コストダウンすれば、スマートメーターに内蔵できると思います。 さらには、メーターとネットのルーターとの接続に使えば配線が非常に楽になります。 電気メーターは、10年に1回くらいは定期的に交換していますので、設置の問題も無いと思います。

今年最初の読み物は、お正月らしく 語られなかった皇族たちの真実-若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」 (単行本) 竹田 恒泰 著 小学館 1365円 です。 第15回山本七平賞受賞。

筆者は昭和50年、旧皇族・竹田家に生まれる。慶応義塾大学法学部法律学科卒業。財団法人ロングステイ財団専務理事。孝明天皇研究家。明治天皇の玄孫にあたる。 特別では無いと何度も序章に出てくるが、生まれが生まれであるし、雲南省で交通事故に会ったり、スパイ容疑で逮捕されたり、横浜市長選挙に出馬したり、イラクを訪問したり、普通では無いと思いました。 従って序章は読み飛ばしたほうが後の本文が良く出来ている分だけ効率的です。 なぜ女系天皇が駄目なのかの理由が良く分かります。 それでも良いと言うか、それなら駄目と言うかはあなた次第です。 戦争中に果たした皇族の役割や、最後の章の皇族行く末などは、なかなか興味深く読ませていただいた。

【以下は、序章から抜粋】
 本書では「皇族とは何か」というテーマについて掘り下げる。皇族の役割は多岐に亘るものの、本質的には次の2点に集約されると私は考える。第一に「皇統の担保」、第二に「天皇の藩屏」である。

 第一の「皇統の担保」とは、いざ皇統が途絶えそうになったとき、皇族が皇位を継承するという役割のことで、皇族は皇統の危機に備えて血のスペアとして存在しているということである。そもそも宮家は皇統を安定的にするために創設された制度であり、それこそが皇族の本質的存在意義である。本書は第一章で実際の皇統断絶の危機に当たり、傍系の皇族が即位した幾つかの例を示し、皇統を維持するために補足的に機能した女帝について述べ、そして万世一系がいかに保たれてきたかということを明らかにする。

 第二の「天皇の藩屏」とは、天皇の近親者として、天皇を支え、守る役割のことである。天皇は歴史の教科書に頻繁に登場するが、皇族に関してはほとんど語られることがない。しかし、日本の歴史上、いつの時代も皇族がいて、天皇を支え、歴史的に重要な役割を担ってきた。皇族を語らずして日本の歴史を語ることはできない。そこで、本書は皇族がどのように天皇を支えきたのかを明らかにするため、第二章から第四章にかけて、太平洋戦争(大東亜戦争)開戦から占領期にかけての皇族について掘り下げる。

 ではなぜこの時期に皇族について本を書くことにしたかといえば、近年盛んに皇室制度改革が議論されるに至り、政治家・官僚・学者などがこの問題について、日本の歴史を振り返ることなく、あまりにも軽々しく意見を言うのに危機感を覚えたからである。皇室制度改革は、日本の歴史の重みを十分に認識した上で、慎重に議論を進めるべき問題である。私はこの本を一人でも多くの方に読んでいただき、皇室について理解を深めてもらいたいと願っている。

 2000年を越す皇室の歴史の中で、女性天皇も存在し、皇統断絶の危機もあった。なぜ、女性天皇が誕生したのか、そして皇統断絶の危機に際して先人たちは、どのように対応したのか。その歴史を振り返ってみたい。