「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。 2006年 12月 4日 11月 4日 10月 3日 9月 5日 8月 6日 7月 3日
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12月4日
ぽかぽかと暖かい日が続いたと思ったら、一気に冬になりました。 政治の世界も、また逆戻りの印象で、せっかくぶっ壊した旧体制は、どうなるのでしょう。 小沢さんも賞味期限切れと言われて、ここで魅力ある人が出てくれば一気に世の中も変わっていくと思いますが、如何でしょう。 経済も、いざなぎ越えと言う割にはすっきりせずに、株価も行ったり来たりの様相です。 リスクをかぶって得た利益への課税が元本保障の普通預金と同じ20%では、株価はキッチリ10%下がりますよね。 これから年末を迎えて、損切りの出来ていない含み損の株式は、損切りして、赤字を計上しておくとしましょう。 来年儲けが出たら、多少は助かるでしょう。

TVの世界では、フルハイビジョンと言う様なハイスペックなものだけではなくて、ワンセグをPCで見るUSBチューナーが大流行という事です。 やはりモーバイルでTVを見たいと言うニーズは沢山あって、ケータイでワンセグを見るのも、その一部なんですが、TVの見えるケータイは高い。 また、バッテリがすぐなくなる。 画面が小さい。 と不満だらけ。 そこで出て来たのが、PCで見るワンセグ。 量販店では在庫切れが続出しているそうです。

裏だらけのソフトバンク想定外割よりはるかにゼロ円の、ケータイが売り出されています。 基本的には無線LAN端末で、それにSkypeを仕込んだもの。 ソニーも年末には端末を出荷するようです。 基本的にはSkype同士は無料。 その他の電話でも割安の電話より数分の1で通話が出来ます。 近い将来には、繁華街では無線LANによる通話がどこでも出来るようになるでしょう。 ハンバーガー大手とかが、店舗の付加価値の向上で無線LANを設置している所が多くて、ここなら、ほぼ完全無料の通話が可能になります。

ソフトバンクにはこう言うことをやって欲しかったのですが、既成の電話会社を買収したためか、はたまた電話の事業というのは、インフラの敷詰めが想定以上に必要なのか、この辺は良く分かりませんが、やる事が少し違うんではないかと思います。

固定電話離れの加速はとどまる事を知りません。 以前にマイラインと言うモノがあって、これに日本中が巻き込まれる事がありましたが、これは日本全体の損失だと思いました。 当時からIP電話が取って代わるだろうと思っていましたが、これくらい早くその時期がやってくるとは思いませんでした。 マイラインの時は、売り込みに来るセールスマンに、これからIP電話の時代が来るので、無駄な事は止めたら? とおせっかいな説得をしていました。

固定電話の世界でも、IP電話化は着々と進んでいて、既に事務所で使うようなビジネスフォンのセットが売り出されています。 遠からず事務所の中の通常の固定電話に見えるものも、LAN端末のIP電話になっていることでしょう。 現時点でも15000円ぐらい、安いのだと1万円を切る値段で売り出されていて、LANケーブルで給電も行えば、LANケーブルだけで電話出来る様になります。

この10月から法律が改正になって解禁になったPLC(パワーライン通信)は、電灯線を使って高速の通信を行うものです。 まあ通信手段としては、無線もあるわけで、特に便利になるわけではありません。 むしろみんなが狙っているのは家電に組み込んで、ACを繋ぐだけで全ての家電が通信できるようになる、と言うようなものでしょう。 インターネットが始まったころに、コーヒーポットにもインターネットが繋がる、と言う様な事がインパクトのある話題として良く紹介されましたが、今後はそんな風になっていくのかもしれません。 しかし、普通のコーヒーポッドが何万円もするのでは興醒めとなります。


今月の読み物は、「もしも月がなかったら―ありえたかもしれない地球への10の旅」ニール・F. カミンズ著, Neil F. Comins原著, 増田 まもる翻訳, 竹内 均監修 ¥2,310(税込)。

少し硬いし、最初の方の月が無かったらの所が少しうるさい。 少し読み飛ばして、地球が小さかったらとか、地軸がもっと傾いていたら、とかの方が面白いです。 仮定の話ばかりで、本当にこうなるのか実際はもっといろんなことが起きると思いますが、知的なパズルみたいな感覚で読むと面白いと思います。 読んで思うのは、地球とかそこで進化した人間というのは本当に奇跡的に出来たもので、物凄い偶然が重なって出来ていると思います。 良く宇宙に太陽に似た星が何千億もあって、その中で地球と同じものが確率的に低くても沢山あるはず、と言う議論がありますが、この確率はほとんどゼロに近いほどの奇跡的な確率ではないでしょうか。 少なくとも、生物学的に種族として生存できる時間内に他の種族が存在する事は無いのでしょう。

もしも月がなかったら?…月のない地球は、自転速度が地球よりずっと速く、1日は8時間となる。強風が絶えず荒れ狂い、高山も存在せず、生命の進化も遅い。もしも月が地球にもっと近かったら?…月がもっと地球に近いところにあると、公転周期が短くなり、日食や月食がひんぱんに起こる。近い月は宇宙から降り注ぐ隕石から地球を守る絶好の盾となる。また潮の干満差が激しく、地震も頻発する。もしも地球の質量がもっと小さかったら?…地球が小さくなると、内部のマグマが減り、地殻が厚くなって大陸移動は起こりにくくなり、地震・火山活動の頻度が極端に小さくなる。酸素が少ないため、小型動物は生存しにくく、人類は肺を大きくするため、背を高くし胸を厚くするだろう…。その他、「地球の地軸が90度傾いていたら?」「太陽の質量がもっと大きかったら?」「地球の近くで恒星が爆発したら?」「恒星が太陽系のそばを通過したら?」「ブラックホールが地球を通り抜けたら?」「可視光線以外の電滋波が見えたら?」「オゾン層が破壊されたら?」まで、さまざまな「ありえたかもしれない地球」への旅をたどるシミュレーション・ロマン。 「BOOK」データベースより










11月4日
株価は連休前に落ちて、連休明けが見ものですね。 日経平均は上がっているのですが、小型株がまだまだ出遅れで、一向に動く気配がありません。 SBIホールディングスの北尾社長にもキナ臭い話が出ていて、まだまだ昨年の一種のIT小型バブルの決着は着いていないようです。

ソフトバンクの孫さんがまたまたやってくれました。 お得意のゼロ円の衝撃とその後の混乱。 最初はわざとやっているんでは無いかと思ったんですが、そうでもなさそう。 「誰が世界で一番安いインターネット接続を実現したのか?」といつも言っています。 確かにYahooBBでは衝撃的な安さで他社がそれに追従して、結果的には世界で最もインターネットの進んだ国になりました。 10年前ならインターネットの最先端のアプリケーションは米国の展示会とかセミナーに一生懸命に行ったものでしたが、最近ではインターネットの最もクールなところは日本です。 光ファイバーがこれだけ普及している国もありません。 10数年前に光ファイバーを各家庭に引くには20兆円以上のお金がかかる、これをどのようにして調達するか、と言う議論がありましたが、隔世の感があります。

知らない間に価値が無くなってしまった電話債券。 逆に考えると当時はあれだけのお金を払ってでも電話を利用したいと言うニーズがあったんですね。 現在の価値に直すと、何十万円にもなるでしょう。 しかし最近では何万円もかかるような光ファイバーには誰も手を出さずに、定価表には2万円とか書いてあっても、何とかサービスでタダになるような仕掛けになっています。

前述のソフトバンクのケータイですが、基本的にはゼロ円プラス基本料金は良いとしても、夜間の9時から12時までの通話に制限をかけているのは解せません。 どうせ当分は回線がガラガラでしょうから、使いたいだけ使ってもらったら良いのではないでしょうか。 どうもソフトバンクの内部で、そう言う実務派の人と孫さんみたいな、それ行け派とのすれ違いがあったのでは、無いでしょうか。

使う帯域つまりデータ容量で言うと、有線は無限、無線は有限、と思っていましたが、無線の世界も技術進歩が早くて、無線も実質的には無限の帯域があると思ってよいのではないでしょうか。 孫さんの言う、世界で最も安いケータイ料金を実現して欲しいものです。 しばらくは混乱を眺めていようかと思います。 YahooBBの時でも混乱はしばらく続きましたから。

核論議が盛んになりました。 議論はどんどんやるべきで、頭から考えもしないのは民主主義の基本に反します。 世界第2の経済を誇る日本は既に核を持っていると感じている人が多いそうです。 技術的にも資源的(プルトニュームが捨てるほどある)にも可能性はきわめて高いようです。 誰かがその気になれば3ヶ月で出来る、と言っていましたが、それは無理としても、3年あれば何とかなると思います。

持てるが持たないと言うのが最も良い態度だと思います。 現実的に例えば日米同盟を考えてみても核保有は無理でしょう。 しかし、北朝鮮の核実験のあとすぐにライス国務長官が飛んできて、アメリカの核の傘の再確認をしていきました。 彼らにしてはこれが最も言いたいことでしょう。

雑誌を読んでいたら、核保有をに匂わせる>> 中国はこれが最も危険と思っているので>> 北朝鮮に核廃棄を促す、と言うようなシナリオが書いてありましたが、もっと外交カードとして使ったら良いのにと思います。

このような中で、中国はちゃっかりと、中国-アフリカ サミットを先週に開いて、中国がアフリカを支援すると言う外交イベントを開きました。 日本では例の鈴木宗男騒ぎでアフリカとの連携は切れてしまったように思います。 北朝鮮に気を取られているうちに、流石に中国は着々と手を打っています。 拉致とか軍備や核保有を言う間にもっと外交的にやることは多いと思います。 ちなみにアフリカは「非」と表現します。


今月の読み物は、経済モノです。 超整理法で有名な野口悠紀雄さんは元々経済学者。 この人の本はとても読みやすいです。 今回は先延ばしになっている消費税の話と金融工学の話。

知っているようで知らない消費税―「超」税金学講座 (文庫) 野口 悠紀雄 ¥540税込

何となく分かっているようで突き詰めると分からなくなる消費税。 いったい益税とは何故生じるのか、これから消費税率を単に5%から上げるだけで万事収まるのか、と言う疑問に答えます。 従来の消費税の考え方は、どんどん積んで行く考え方で、100円で仕入れたら105円の仕入れになり、売る時は200円で売るのなら、210円で売る、見たいな考え方ですが、ここに示されているのは、210円で売ったら、10円のうち5年は仕入先に、残りの5円を自分で税務署に払うと言う考え方で、非常に分かりやすい。 応用する時も応用が利きます。 また、消費税率を上げるなら、インボイス方式にしないと益税が発生してそれを補足出来ない。 従って消費税アップを望む小売業者も存在する、と言うような話になっています。 給与所得者の源泉徴収は、単に徴税の手間を省くだけとおもっていましたが、このような観点では、給与支払いのインボイスであると見れば、サラリーマンの税金が何故ガラス張りになっているのか、やっと分かりました。 反面、消費税と言うか、売上げに関してはガラス張りでは無いと言うことで、脱税が横行する原因になっていると言うことです。
内容(「BOOK」データベースより)
迫り来る大増税時代を前に、我が国の税制について考えたことがおありだろうか?たとえば消費税の仕組みとは?その構造的な欠陥とは?構造改革が叫ばれながら、改革らしい改革が行われず、税制改革を主導すべき基本理念さえ明確でない日本の現実。現状では企業のIT化にも対応できない。経済を活性化させる、あるべき税制改革構想を、当代切っての論客が説く。


金融工学、こんなに面白い (新書) 野口 悠紀雄 ¥725税込

もう一つの金融工学の本は、題名だけで敬遠する方も居られると思いますが、中身は非常に分かりやすい。 物凄い高等数学を使わないと分からないと思われているデリバティブ金融商品が簡単に分かります。 経済学とは何? 投資手法と経済学の関連は? などいつも漠然と疑問に思っていることが良くわかるようになります。

金融工学とは、文字通り金融の振る舞いを工学的アプローチによって解明する学問であり、情報科学とともに金融業界の活性化と新生の基礎を築くものとして、期待がされている分野だ。一方、新時代に向かう経済のなかで中核的役割を担うとされながら、高度な金融理論や数学理論に立脚していることから「敷居が高く、近寄りがたい」という声が上がっていることも事実だろう。本書は、難解な用語や数式を極力排除し、実際の金融界におけるエピソードや「ヴェニスの商人」「エデンの東」など、一般の人にも馴染みの深い文学作品や映画を例にとりながら、金融工学の本質をわかりやすく説いた入門書である。株価予想の可能性やリスクとリターンの関係など、金融構造の基本から、リスクヘッジの思想や方法を提示。さらに、1970年代に脚光を浴びつつ、すでに「終わった理論」とされてきた「ベータ投資理論」を、マーケット・リスクへの立体的な評価の側面から再評価している。また先物取引やオプションなどに関しても、発生の歴史からその構造が詳しく述べられており、現代のファイナンシャル理論を概観する手助けとなるだろう。さらにIT革命のなかで、経済をいかにとらえるかというテーマにも取り組み、「実社会へのアウトプット」という立場から金融における「工学」的視点の確立を訴える本書は、「株で儲けよう」といったたぐいの実用書的なハデさはないが、より本質的に時代をとらえる一助となるだろう。(太田利之) 書評より







10月3日
10月号も遅くなってしまいました。 やっと涼しくなってきてやれやれです。 歳とともに暑さ寒さがが身にしみます。 株価も16000円を上限に行ったり来たりです。 アメリカの景気も危ないと言われながら、株価は史上最高値に近くなったりします。 原油はサスガに下がって来ましたが、日本及び英・蘭企業が出資するロシアのサハリン2プロジェクトが急遽キャンセルされるなど、不安要素がまだまだ沢山あります。 中国、北朝鮮、韓国問題でかすんでいるロシアも良く見ておかないと、先日のような北方領土で起きた銃撃事件などは、もっとキチンと対応しておかないといけないと思います。 北朝鮮のミサイル発射で見せた対応が何で出来なかったのか、やはり事前に米国の情報がないと動けないのか、と思います。

日本は既に核を持っている、と思っている国が多いと言う事を聞いた事があります。 核査察を行うIAEAの予算の20%が日本の査察に使われているとの事(よく調べると20%を拠出していると言うことだと思う)。 日本人はともかく、世界の人は日本人がその気になれば、すぐに核兵器を作れると思っているのです。 ミサイルに化けるロケットは固体燃料のものも液体燃料のももあるし、ヨーイドンで始めたら、北朝鮮よりはるかに早く核武装出来るでしょう。 核で脅してくる国に対しては、いざとなったらいつでも準備出来る、と思わせる事も必要でしょう。

そんな物騒な話はこれまでにして、最近見つけてハマった本。 「昆虫−驚異の微小脳」中公新書 水波 誠著 \882。 地球上でもっとも成功した生物は人間と昆虫です。 人間は大きくなって、その分肺とか血液とか複雑な循環系を発明し、物凄く大きな脳を持ちました。 おかげでこの地球で60億以上の人口へと成長し、地球の環境自体も変化させようとしています。 他方の昆虫は大きくなる事をアキラメて数と言うか種としての成功を目指して成功しました。 はるか昔には同じ先祖から分かれたのですが、ほとんどの機能がそれぞれの目的に最適になって、例えば目だけでも全く異なる結果となった訳です。

昆虫はまず、外骨格のクチクラと言うものを発明し、これで体を覆う事で、体液の蒸発を防ぎ、体を支えることに成功しました。 またややこしい肺などの循環系は省略して、直接細胞に酸素を与える気管を採用しました。 これらは全て大きくなる事を放棄した成果です。 また小さいために多少ぶつかっても、飛んでいるときに落ちてもたいしたダメージにはならないのです。

ただ生まれてからの成長は必要ですので、さなぎから変態したり、脱皮をしたりします。 しかし、これは苦肉の策で大変なリスクを伴うものです。 良くこの段階で失敗して死んでしまう事も多く、昆虫の設計の中でもっとも弱い点であります。 これは外骨格を採用した事へのリスクとなっていて、完全に覆ってしまって、その上でさらに酸素を摂取すると言う矛盾した設計をしなければならなかった訳です。

「昆虫−驚異の微小脳」は特に昆虫の非常に小さな脳に着目し、この小さな脳が驚くべき情報処理を行っている事を示します。 あの小さな脳で、すばやい飛翔と動きを実現しているのですからビックリします。 今ハヤリのロボットには全くマネが出来ません。 まず蚊のように小さく作る事、それを飛ばす事、当然に姿勢制御をキチンと(しかし大体で)行う事、餌を探す事、それを学習する事。 これをあの大きさで実現している事は、人間の技術も大したことがないと言う事でしょう。 また、昆虫に学ぶ事も多いでしょう。

昆虫の情報処理は一口で言って分散処理になっているみたいです。 複眼や感覚器でフィルタリングして結果だけを脳に送って、脳はニューロコンピュータみたいに(と言うかそのもの)高速でリアルタイム処理を行うのです。 だからあのようなアクロバット飛行が可能になるのです。 ただ処理が完全ではないので、たまにはアチコチぶつかったりするのですが、あんまりダメージにはなりません。

それにしても、あの小さな脳で、我々の最高レベルのロボットを遥かに凌ぐ性能を発揮しています。 完全な自律系で、しかもエネルギーまで自分で探して摂取して、さらに子孫まで残して、その段階で進化をしていくわけですから、全く実現のレベルが異なると言っても良いでしょう。 なんで人間の脳がこんなに大きなのかは、外界地図を作るためではないか、生存のための学習ももっと複雑になるのではないか、と言うのが本書の論点。

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小型、軽量、低コスト。1立方ミリメートルにも満たない昆虫たちの小さな脳こそ、情報処理装置の傑作なのだ! 本能行動の神秘に迫る最新生物学の成果を公開。昆虫の繁栄の秘密について、その行動と脳に焦点を当てて解説する。

 6億年以上も前にわれわれと共通の祖先動物から枝分かれしたのちに地球のすみずみにまで適応し、大繁栄をとげている昆虫。昆虫のユニークな姿、形、行動は今や子供だけでなく、大人をもとりこにしている。ところが、昆虫の多様な行動をうみだすのが、たかだか1ミリ四方しかない小さな白い脳だといわれると驚かれるであろう。本書は“微小脳”の名付け親による昆虫の神経行動学の入門書である。
 ファーブルが昆虫記を世に送り出して100年、フリッシュがミツバチのダンスコミュニケーションを発見して50年、今や神経行動学のメスは高次行動をつかさどる微小脳の機能解明へと入りつつある。昆虫が哺乳類にも似た認知能力をもつことが次々と明らかにされ、動物共通の神経原理を追求するのに格好のモデルとなりえることが示される一方で、微小脳の構造は複雑で、一筋縄でいかない部分も垣間みえる。本書ではバッタの飛翔のようにそのしくみを単一神経細胞のレベルで理解できる行動から、ゴキブリの場所学習、ミツバチやチョウの視覚認知に至るまで研究のトレンドが余すことなく解説される。日本の神経行動学者の奮闘ぶりをみて頂きたい。
 ポケットブックにしては図が多く、キーワードやキーフレーズが太字で示されていることから、流し読みでも十分楽しめる。また、たとえ話、こぼれ話が満載で、科学読み物としても楽しい。本書は高校生物程度の知識があれば十分に楽しめる内容となっているが、とくに動物行動のしくみに興味のある方、将来神経科学者を志す大学生に一読を薦めたい。読み終える頃には昆虫もわれわれと同じ“地球のなかまたち”として親近感を覚えるのか、それともその卓越した能力に怖れを抱くのか、読者自身で感じとって頂きたい。【書評より】
 






9月5日
とうとう冥王星が惑星ではなくなりました。 確かに天文学的には、変な軌道を描いているし、月よりも小さいし、どう見ても変な惑星でしたが、遠くにあるのでしょうがないかと言うところだったのですが、他にもっと大きなものが見つかって、とうとう格下げになりました。 それにしても名前が良かったですね。 一番遠くに有って冥王とはよく付けたものです。

火星の運河の予測で有名なパーシバル・ローウェル20世紀初頭に、天王星と海王星の軌道のずれから、未知の惑星があると予測してから、探索が始まりました。 その後、探索はトンボーに引き継がれて、トンボー天体写真を別々に日に2枚撮って、それを比較すると言う方法で、ローウェルの予測した場所に、1年もしないうちに冥王星を発見したのでした。 惑星はわずかに動いていて、背景の恒星は動かないので写真を比較すると判定できるのです。 しかし発見された冥王星は小さすぎてローウェルが予測したような軌道のズレを生じさせないと言う事が分かりました。 私も、ローウェルの逸話を何となく知っていたので、冥王星はさぞかし大きな天体だろうと言う印象をずっと持っていました。 結局ローウェルの計算は間違っていて、トンボーが発見したのは偶然だったと言う事が分かっています。 他にも似たような天体は沢山あるので、他の天体が見つかっていても、それが冥王星だと言う事になったのでしょう。

地球の月は、はるかに大きなもので、私はこの月が絶妙の大きさで絶妙の距離にあることが、生命体それも高等生命が誕生する原因になったのでは、と思っています。 大きな月のおかげで大きな潮の満ち引きがあり、これが生命の進化を促す事になったのでは無いでしょうか? また、日食で示されるように、太陽と月の見かけの大きさがほとんど等しいと言う事は、いろんな意味で特殊ではなかろうか、と思います。 いわば地球は選ばれた惑星だ思います。 ほとんど見かけの大きさが同じなのは、少し月が近くて小さく見えると、日食は金環食になって、周りの太陽がはみ出て見えるのです。 同じく遠いと完全な日食になります。 ちなみに次回の金環食は、2009年1月26日に東南アジアで見えるものです

冥王星の降格で笑ってしまったのは占星術。 記者から聞かれて、冥王星の影響は徐々に弱まっていきます、とは笑ってしまった。 冥王星の発見以前の占星術はどうなっていたんでしょうね? 占星術ではないのですが、以前は惑星直列で何かが起きるとかで、本当は惑星の重力の影響なんかはほとんど影響が無いのですが。 月とか太陽の影響がほとんどです。 あれだけの海水が持ち上げられるんですから。

ちなみに、月に面した部分の海水が持ち上がるのは分かるのですが、その反対側の海水も持ち上がるのは、イマイチ良く分かりませんでしたが、これは高校の物理で習った潮汐力というもので、重力による軌道上の速度が距離によって変化しますが、地球のような大きさがあるものでは、全体が一体で動きますから、軌道の両側に引っ張る力が働くのです。 非常に大きな重力を持つ中性子星やブラックホールの周りでは、潮汐力が働いて、近づくと引き離す力が働いてバラバラになってしまうと言うSFが良く有ります。

8月のもう一つの話題はデルのノート型パソコンのソニー製バッテリのリコール問題でしょう。 410万個のバッテリをリコールし、これに必要なコストは200億円とも400億円とも言われています。 デルとソニーがどのようにこれを負担していくのか注目されるところです。 特にデルは業績も悪化しており、今後目を離せません。 更にアップルも180万個のソニー製のバッテリのリコールを発表し、大規模ではないものの問題は文字通りくすぶり続けています。 基本的な問題はバッテリの製造中に金属片が混入したとの事で、出荷時の検査にも引っかからず、動作時にもシャットダウンせず、発火すると言うのは、何十億個も作っているといくつかはあっても不思議ではないでしょう。 死に至る事故はまだおきていないのですが、今年の6月のデル製のパソコンの爆発事故とは大きく報道されました。

いずれにしても、充電されたバッテリはエネルギーの塊ですから、危険と言えば物凄く危険と思います。 いつもノートパソコンが熱くなるので、このエネルギーが一度に発生したら爆発するなー、といつも思っています。 これに根本的な解決を与えるのが燃料電池です。 燃料電池は電気を貯めているのではなくて、必要に応じて発電するので、安全だと思います。 発電の元の燃料はアルコールや水素のように、多少は危険ですが、すぐに爆発するものではないでしょう。 いずれにしても、ガソリンやLPGのようにエネルギーを取り出せるような、活性のものは、多かれ少なかれ危険だと言う事です。

今月の読み物は、冥王星の本は良く知りませんが、重力の話が出てきたので、インテグラルツリー。 ラリイ・ニーヴン著 小隅 黎訳 \504 早川書房 文庫/387p 1986.11発行。 どうも現状では入手が出来ないようです。 古本屋さんで見かけたら入手ください。 非常に強い重力を持つ天体の周りに空気があって、しかも衛星軌道上を回る事が出来たとして、潮汐力によって軌道と直角方向に伸びた樹木の上で暮らす人々の話です。 樹木の上下は風を切りますから、上下に生えた 葉っぱは反対側に風に押し流されて、全体に積分のインテグラル(∫)の形をしています。真ん中は重力ゼロで、上や下に行くとその方向に潮汐力で、重力が発生するのです。 この発想がなかなか面白い。 ラリイ・ニーブンのSFには、空中に浮いた話が多くあります。 有名なのはリングワールド。 地球の軌道ぐらいの大きさにリング状の構造物の上でいろんなことが起きます。 昼夜を作るためのスクリーンを張るとか、その支えのロープの強度とか、リング状の構造物の強度とか、下に穴を開けて飛び出すだけで宇宙に出れるとか、着陸するためにはリングと同じ速度に合わせないといけないとか、リング物理学も生まれました。 他に悪魔のハンマーとか、私好みのハードSFです。 ニーブンを読んで一時重力を忘れてみませんか。

中性子星ヴォイの周囲をめぐる直径数万キロの濃密な大気の輪〈スモーク・リング〉は、奇怪な動植物にあふれた、自由落下状態の楽園だった。なかを漂う巨大な積分記号形の樹“インテグラル・ツリー”では、地球からやってきた播種ラム・シップの乗員の末裔たちが、牧歌的な暮らしを営んでいる。だかそのクィン一族に、いま飢饉の恐怖が忍びよろうとしていた。新たな食料を見つけて一族を救うべく、壮大な旅に出た若者たちが遭遇したものは?ハードSFの巨匠が『リングワールド』にまさるとも劣らぬ魅力的でカラフルな世界をみごとに創造し、ファンを熱狂させた最新SF!ローカス賞受賞。







8月6日
猛烈な暑さに見舞われていますが、お盆もまだで、先が思いやられます。 日銀の金融政策緩和で一気に利率も上がって、株価もピリッとせず、原油はじりじりと上がって、バレル100ドルも視野に入ってきましたし、円はまたぞろ上がってきた様で、あんまり元気が出る要素は少ないようです。 製紙会社のTOB合戦が始まったようですが、イマイチよく分かりませんね。 何か時流に乗ってやっているようで、良い悪いは別にして、ライブドアや村上ファンドのような戦略性とは言いませんが、誰かが一人で判断をすると言うことが無くなっているのではないでしょうか。

先月の本欄で少し触れましたが、先日たまたま小さな事務所の電話システムを考えることになって、取り合えずIP電話だろうと、NTTから見積りを取りました。 しかし電話機が5-6台なのに、内線交換機と称するものが数十万かかるということで、昔懐かしいビジネスフォンを含めて50万以上の見積りとなりました。 高性能のPCが5万そこそこで買える時代に、これは無かろうと、一度調べてみました。 お金のこともさることながら、Webシステムとの連携、例えば電話がかかってきたときに、掛けて来た相手の情報をPC上に自動で表示すると言うような、基本的な使い方が出来ないと言う事もありました。 無理にやると何とかソフトウエアが必要で、インストールや何やらで、最低でも40万はかかるとの事で、大会社ならいざ知らず、零細の事務所では無理な話です。

インターネットで検索すると、一発で出てきました。 オープンソースのAsteriskと言うもので、インターネット上で内線交換が出来ます。 ただし電話回線と繋がったサーバーが必要で、NTTの提供しているIP電話には繋がりません。 従って、正確には内線のIP電話交換鹿出来ないことになります。 最近は、IP電話の通常電話への通話料金と、一般の通話料金にはそんなに差がなくなりましたので、IP電話同士を除いて大きな問題はなくなりました。 IP電話でもプロバイダに寄っては、直接通話が出来ないケースもあります。

反面、内線はIP電話なので、IDパスワードさえあれば、どこでも例え無線LANで繋がっていても、内線転送が可能になります。 通常電話への発信も電話料は、サーバーの回線で繋がりますので、統一的な課金が可能です。 自分でサーバーを立ち上げるは大変と言う方には、サービスだけを提供している会社もあります。 レンタルサーバーの費用がかかりますので、Webやメールなど全てを統一的にこのサーバーで実現すれば、コスト的にも問題無いレベルとなります。 電話だけだとメリットはあんまり無いでしょう。


もう一つはファックスです。 紙で出力されるファックスは捨て難いものがあるのですが、受け取るほうとしては、その整理が大変です。 以前からファックスをメールで送受信出来る物はあったのですが、サービスが中途半端で使いにくかったのですが、最近良いものが出てきました。 それまではアメリカのサービスを利用していたのですが、従来は完璧だった日本語のサポートが貧弱になってしまって、使いづらくなっていました。 欠点は受信する番号が東京の03しかないので、不審に思われることでしょう。 別のものは020で始まる番号が得られますが、発信できない場合があるので、問題です。

また、メールで受信する時は、pdf形式で送られるのが良いのですが、020の場合はTIFFしかなくて、TIFFのビューワの良いものが無いと言う事もあって、使いづらいと思います。 新しく見つけたサービスは、これらの要求を全て満たした以上に機能が充実しているのでファックス番号を除いて満足できるものです。 ちなみにアメリカのサービスは、03と06の2つを利用できます。 多少お金はかかりますが、NTTの転送機能を使うと自分の地域の市外局番で使うことが出来ます。 電話回線の料金と転送時の通話料がかかってしまいます。

ファックスを送信する場合は、メール本文と添付ファイルが全て送られます。 例えばエクセルも展開してプリンタで印刷したように送信されます。 メール本文を送り状にすれば、完璧なファックスを送ることが出来ます。 ファックスの送り先はメールアドレスのアカウント部分に、例えば 0333334444@fax.tc として送れますので、通常のメールのCCに書いておけば、メールを滅多に見ない人にもメールをファックスでメール感覚で送ることが出来ます。 ファックスは紙で出てきますので、受信者に注意を喚起することが出来ます。

以上で、オフィスの機器は全てIP化されたことになります。 メールやWebは当然に、電話やファックスも全てPC上で使うことが出来、情報の一元管理がやっと可能になったと言うことでしょう。

今月の読み物は、僕の見た「大日本帝国」―教わらなかった歴史と出会う旅 (単行本)、西牟田靖著、 ¥1,680 (税込み)。 続編の 写真で読む 僕の見た「大日本帝国」 (単行本) ¥1,680 (税込み)。 樺太から始まる日本時代の痕跡を探す旅紀行。 読み始めた時はそんなに面白くなくて、しばらくほって置いたのですが、少し読んでいくとなかな面白い。 変に肩肘張ったところが無くて、イデオロギーも無くて、淡々とレポートしている。 尤も最後の方になると少し右に傾くような記述があるが、特に気にならない。 ここまで淡々とされると一種清々しさも出てきます。 また、神社などの痕跡がこれだけ残っているのはビックリ。 続編の写真で読む・・・ 文章はほとんど同じだが、最初の本を読んでいると、既視感があって面白かった。 有名なノモンハンのルポも興味深い。 事件の名前として知っているが、どんなところなのか、どこにあるのかはよく知りませんでした。 まあ、日本のターニングポイントの戦争であったことは間違いの無いところです。

出版社/著者からの内容紹介
サハリン(樺太)、台湾、韓国、北朝鮮、中国東北部(旧満州)、ミクロネシア(旧南洋群島)……4年の年月を費やし、「日本統治時代の痕跡」を探して「大日本帝国」の統治下にあったアジア太平洋の各地を踏破した、70年生まれの新進気鋭によるかつてないノンフィクション。戦後60年間埋もれていた、あなたの知らないアジアの中のニッポンの姿がいま明らかになる! ニュートラルな視点で「過去と現在」を見つめる、みずみずしい旅人の感性と思考が、報道されない「反日と親日」の現状とアジアの人々の心を鮮やかに描き出す。反日で揺れる竹島ルポも収録。

内容(「BOOK」データベースより)
サハリン(樺太)の南半分、台湾、韓国、北朝鮮、ミクロネシア(旧南洋群島)、それにくわえて中国東北部(旧満州)。明治の半ばから昭和二〇年の終戦前後までの時代、それらの国・地域は「大日本帝国」と称していた日本の統治下に置かれていたという共通項を持つ。戦後半世紀以上たった今日でも、古くからかつて日本の領土だったそれらの国・地域には、日本語、日本建築、鳥居、神社、日本精神、残された日本人…と、さまざまな形で日本統治時代の痕跡=「日本の足あと」が残っているのだった。僕は、大日本帝国の領土だった各地に「日本の足あと」を探す旅を始めた―。戦後60年目のいま日本の過去をたどる禁断の旅の記録。








7月3日
株価がなかなか安定しませんね。 最近は日経平均で200円以上の変化が当たり前になって、だれも驚かなくなりました。 これだけ変化するとデイトレではうまくやると結構儲かるのでは無いでしょうか。 パチンコで財産を築いた人は居ないと言う格言もあるそうで、デイトレもパチンコと同じですね。 1日で儲かる金額も大体5万円と同じなのも面白い。 パチンコ必勝法と言うのが週刊誌でも出ていますが、株の必勝法と言うのも良く出ています。 まあこう言うハウツーモノを出したほうが儲かるんでしょう。 本当に儲かるなら、出版なんかせずに、自分でやったらどうかと思います。

最近は株の取引が減ったのか、やたらと営業の電話が多くなりました。 株価の下がった今が買い時ですよ、と言うがそんなに儲かるのだったら、自分で買って、株の営業なんか辞めてしまえば良いのにと思います。 資金がないとかいろんな理由がありますが、要するにリスクが高いと言うことでしょう。 ライブドアの時はびくともしなかった、REIT も暴落で、新興国も暴落で、損切りしても他の運用が無いと言う所でしょう。

ライブドア事件がまだまだ尾を曳いていますね。 ライブドアの次は村上ファンド、それにつられて日銀福井総裁問題。 その間に日銀の当座預金段高の縮小による金融引き締め、とこれに関連するのかどうか分からないが、新興国の株価暴落。 日銀はいつもいつも運が悪いと言うか、タイミングが悪いです。 今回は慎重にも慎重にやったのでしょうが、結果的に世界経済へ悪影響を与えてしまいました。 グリーンスパンの交代とか、いろいろ重なっていますが、それにしても運が悪い。 もっとも福井総裁問題は身から出た錆ですが。

残っている時限爆弾は、木村剛問題。 まあこちらは問題と言っても1桁億円の話なので、これ以上問題が出てこなければ、そのままかも知れません。 ライブドアも木村剛も竹中さんの関連で、特に木村剛は経済諮問会議のメンバーですから、もっと関連が深いと思います。 この件がある程度決着するか、時間が経たないと市場も安定しないのではないでしょうか。 福井さんにも劣らず竹中さんも大きな責任があると思います。 その理由かどうか知りませんが、最近の竹中さんの影響力は物凄く小さくなって、元々政治基盤がゼロの人ですから、小泉さんが居なくなると完全に弾き飛ばされるでしょう。

この間、靖国神社に御参りしてきました。 以前は外から鳥居が見えるだけでしたが、今回は少し時間があったので、九段下から歩いていきました。 神社そのものはどこにでもあるようなもので、取り立てて大きいと言うものではありません。 鳥居が大きくて威圧的なのは少々気になりましたが、橿原神宮でも同じですから、こんなもんでしょう。 それから、あの悪名高き遊就館に行きました。 思ったより近代的な美術館と言う感じの建物で、全体として、どの国にでもある戦争博物館としてはまあまあ立派な、展示もそこそこのものでした。 戊辰戦争から始まって、日清、日露、太平洋戦争まで淡々と展示がしてありました。 これでどこが問題やねん、と思ってしばらく行くと例の東京裁判の時の裁判無効を唱えたインドのパール判事のことが詳しく展示されているコーナーがあって、問題と言えばこれくらいかと思いましたが、それも淡々と展示されているだけでした。

戦争で亡くなった方々を追悼すると言う観点では、そんなに政治的でもなくて、違和感はありませんでした。 親日と言われるシンガポールで見た戦争博物館では、他の国でも同じでしょうが、蝋人形とか、現場の再現場面とかがあって、これの方が余程意図的では無いか、と思いました。 中国や韓国の同様の施設ではもっとどぎつい表現になっているのではないでしょうか。

追悼施設ですから、あの戦争は全くの誤りであったと言うのは酷な話で、多少なりとも意義があったと言う事でないと戦死した人たちは浮かばれんでしょう。 先日も80日間世界一周と言う映画を見ましたが、当時のインドは英国内と言うような台詞がありました。 インドはもちろん、東南アジアのほとんどの国はヨーロッパの植民地であって、日露戦争はそのような人々から賞賛されたものでした。 東條英樹の言うように、あの戦争を始めたのはしょうがなかった、ただ負けて多くの人々を亡くした事に関しては大いに責任がある、と言うことでしょう。 東京裁判は結果をサンフランシスコ条約で受け入れて、引き換えに日本の独立を手に入れたのですから、その当否を云々してもしょうがないことで、本当の戦争責任を問うなら、遅ればせながら日本人の手で裁判を行えば良いのでは無いでしょうか。 その結果天皇に責任が発生しても、みんなが受け入れたら良いのではないでしょうか。

靖国神社の今後ですが、私も以前は個別の国家施設を作れば良いと思っていましたが、靖国のサクラを見て、靖国で会おうと言って亡くなった人に対しては、いくら戦争が間違っていたと言っても、それを覆して別に施設を作るのはほとんど意味が無いと思うようになりました。 世界的に宗教が復権している中、例外的に無宗教の日本では、残っても良いのではないかと思います。 問題は例のA級戦犯問題でこれをどうするかです。 先ほど言った日本人による裁判で有罪になればこれは刑死で戦士ではないので分祀する。 靖国神社がいやといえば、国家管理にしてやってしまう。 そもそもマッカーサーが来た時に、あっさり靖国を爆破してしまう、もしくは国家管理にしておけば、こんな問題はなかったのですが、中途半端に宗教法人で置いておいたのが間違いで、先日も麻生太郎が言ってましたが、手順はいろいろ問題はあるのでしょうが、国家管理にする。 意図は全く異なりますが、右翼も国家護持、と言っているので、こちらからの反対はないでしょう。

さて今月の読み物ですが、あんまりちゃんと読んでいなのですが、Web2.0 BOOK 小川 浩 (著)サイボウズ株式会社, 後藤 康成 (著)株式会社ネットエイジ ¥1,890 (税込) とみに最近よく聞くようになりました。 IT関連の雑誌だけでなくて、一般の経済紙まで特集を組むようになりました。 たいして中身は無いのですが、私の興味はBlogを運営するビジネスみたいなものではなくて、Web 2.0 を如何に現状のビジネスに活用していくか、です。

最近、小さな事務所を開くことになって、インターネットも必要ですが、もっと必要なものは電話であって、それを検討しました。 Skype みたいなモノは沢山あるのですが、通常のビジネスには使えません。 そこでNTTに電話してPBX(内線交換機)のVoIPになったものを入れようとしたのですが、これが結構高い。 8台くらいの電話で60万ぐらいします。 また、アプリとの連携がほとんど出来ない事が分かりました。 電話は電話だけなんですね。 そこでネットサーフィン(古!!)をしたら、サーバー形式でPBXの機能を実現するものが、なんとオープンソースで提供されているとの事で早速調査。 サーバーでサービスを提供しているところもありました。 PBXの機能はほとんど満足していると言うのは言うまでも無く、最も気に入ったのは事務所外でも内線転送が行えて、電話発信も事務所の回線を使用するので、電話代も事務所にチャージできると言うものです。 ファックスはメールで処理できるものが昔からありますので、これで事務所の内外で使うものの全てがネット上で処理出来ることになります。 本書で定義はされていませんが、本当に私的にはこれがWeb 2.0。